夢で会えたら

朝 キャベツと燻製牡蠣の玄米パスタ

夜 コロッケ、カリフラワーのサラダ、玄米チャーハン、エノキのお汁

来週からルデコウィーク。月曜日と火曜日を搬入日にしているので会期は24日水曜日から28日日曜日まで。毎年毎年この時期になると自分の個展よりもずっと緊張するというか、気になってしょうがない。そのせいなのか夢見が悪い。カメラをなくすとか、大事な物をなくす夢を立て続けに見て、夜中に嫌な気持ちで目が覚めた。しばらく眠れなかったが、気がつくと夢の中にいた。

夢の中でお店でお茶を飲んでいると「さとるさーん」と窓から鬼海弘雄さんが入ってきた。ものすごく元気で僕の横にどっかりと座った。それがものすごくリアルで体温までも伝わってくるし、いつものように楽しそうに話すから嬉しくなって色々聞いた。鬼海さんは哲学の専門家だから聞きたいことがたくさんある。目が覚めると気持ちが驚くほど穏やかになっていた。あまりにも鮮明で不思議な夢だった。昨年亡くなった鬼海さんは山形の出身で、僕にとっては勝手に親戚のおじさんのように感じていた。いつも突然現れて、たまに「銀座のいいお店に行きましょう」と居酒屋の「天狗」に誘ってくれた。60歳になると頼られることは多くなって嬉しいのだが、頼れる人が少なくなってくる。今甘えられるのは冬青の高橋元社長くらいだ。

夜に2BChannelのライブ配信。もうちょっとで50回になる。素人でも50回もやっていると1時間の時間配分ってくる。来週はルデコの最中で実況とかやれると面白いけど、回線の問題もあるしなあ。

<2007年11月18日の日記から>

お好み焼き、もんじゃ。

作家石田衣良のインタビューで興味深いことを言っていた。

「石田さんは海外へ住んでみたいと思うことはありませんか」という質問に「日本語を扱っている作家が海外に住むと、どうしても言葉が甘くなる。村上春樹にして海外で書いた『ダンスダンスダンス』は甘さが見える。それだけ言葉って微妙なんだよね」
納得できる話だった。反対に海外で成功しようと思ったら向うに住まないといけないということにもなる。
よく何を撮ったらいいかわかりません、という人がいる。写真は好きなのだが何を撮ったら「作品」になるか分からないというのだ。「そんな時は目の前から始めれば、家の周り半径50メートルでも写真は撮れるよ。別に海外で撮ったから面白くなるわけじゃないよ」と答えている。その言葉通りの写真展をやっている。
アート・スペース・モーターギャラリー林 幸子 写真展「ミテイル」ほとんどが家の中で撮られているモノクロ写真だ。カーテンが揺らぎ、食卓が写っている。どこにもありそうでいてドラマの中の世界にも見える。乾いたグレーの調子が満たされた日常をあらわしている。決して予感めいたものはない。ただ永遠に続くのではないかと思われる日常。見ていて北井一夫の写真を思い出した。ギャラリーの人に聞いたらやっぱり北井さんが監修をしているそうだ。今の時代、海外に行って目新しいものを見つけようと思っても、大抵がテレビで見たことがあるものばかりだ。目の前の日常に新しさを感じることもある。