朝 米粉のうどん
昼 セブンのおにぎり
夜 味噌ラーメン、餃子、ビール
ひさしぶりにラーメンと餃子を食べて、帰りにコンビニでアイスクリームを買ってホテルに帰る。
ある地方を一年通して撮影し小冊子を作る仕事をしているのだが、コロナのせいで2回も予定が飛んでしまって、最初の撮影から半年が経ってしまった。
今回は印刷所との打ち合わせも兼ねていて、どんな本にするかの最終確認を行なった。
ドイツ「ハイデルベルグ」のUV印刷機を使うことになった。紫外線でインクを硬化させるタイプで、5年くらい前から出てきて主流になりつつある。
ちなみに印刷機1台の値段は2億円以上。どんだけ印刷すれば元が撮れるんだろうね。
今回もメインにハッセルブラッドX1D2と考えていたのだが、現場でシグマfp Lに切り替えた。AF精度の高さと65ミリレンズが使いたかったせいだ。
X!D2の絵の出方は文句なしだが、ハイライトさえ気をつければfpLが出す色も好みだ。ハイライトとシャドーが両方あるようなところは圧倒的にX1D2の方がいい。
fpLは普通に使うとノイズが乗ったようなざらっとした感じに仕上がるけど、得意な場所だと急に力を発揮して、こってりした色を出してくる。
<2004年9月23日の日記から>
鰻のひつまぶし、モロきゅう、モヤシのナムル。
四谷三丁目「ニエプス」でやっていた神田憲行写真展『ハノイの純情、サイゴンの夢〜俺個人とベトナム国交樹立12周年記念』を見に行く。最終日だった。
神田さんは事務所がお向かいどうしの御近所さんだ。たまに江古田で出くわす。編集者が彼を紹介してくれたのは数年前だ。そのとき見せてもらったベトナムの写真は、上手なのだが物書きが資料として撮った感じがして、「写真的な魅力」は薄かった。
ところが今回の写真は「写真家の眼」としてベトナムを捕らえていて正直驚いた。この差は埋まりそうであんがい大変なのだ。彼も「ライターアイとカメラマンアイの違いに気がついた」と言っていた。
雑談をしていて彼が言うには「写真学生の写真展を見る態度がなっていない」そうだ。こちらが話しかけても挨拶もしない。写真を値踏みする態度でしか見ない。つまり自分よりうまいか下手かでしか評価しないのだそうだ。わざわざ写真展を見に来ているのに写真を楽しめていないのだ。
「書くのが好きだからライターになりたい、って言う女の子が多いんだけれど、職業でずっと続けていくには読むのも好きじゃないと難しいよって諭すんですよ」と神田さんは言っていたがカメラマンも同じだ。
小説を読まない小説家はいないし、人の音楽をまったく聴かないミュージシャンはおそらく存在しない。なのに人の写真を見ないカメラマンと言うのはびっくりするほど多い。しかも写真家を志す学生もそうなのだ。彼らが必ず言うセリフは「人の写真の影響を受けたくないですから」。
でも人の写真展を見ずに写真展を開けないだろうし、写真集を買わずには写真集を作れない。まして写真を買った経験のない人がプリントを売ろうなんてことは無理だと思うのだ。
ニエプスのお向かいのギャラリー「デイズフォトギャラリー」では宮本敬文写真展「PRIVATE」をやっていた。彼の挨拶文には「写真が好きで好きでしょうがない」と書いてある。おそらく彼も撮ることだけではなく見ることも好きだと思う。その一文で彼のことをとても好きになってしまった。
会場に金箔漆箱入りの超豪華電報が置いてある。そっと中を覘くと差出人は「SMAP」とあった。