皮膚炎はひと段落。ようやく痒みが治まった。3週間以上かかってしまったが、落ち着いてくれてよかったよかった。
おかげで8月はプリントしたかったのだが延期になってしまった。
実は今、あるグループ展に参加している。国内でグループ展に参加するのは久しぶりだ。
「東京8x10組合連合会」
江東区文化センター 東西線東陽町駅が便利です
8月29日日曜日まで
東京8x10組合連合会とは大判カメラ、しかもエイトバイテンが基準という面白い集まりで、10年の歴史を持つ由緒ある団体だ。毎年見にいくのを楽しみにしていたので今回参加することにした。
今までエイトバイテン(B5サイズくらい)で撮影しても引き伸ばさずべた焼きばかりだったので今回はプリントするつもり満々だった。
しかし肩の不調、目の不調、皮膚炎はと立て続けに調子を崩し撮影もプリントもできずじまいだった。
しかたがないので5年前の夏に娘を撮った旧作を2枚だけ展示することにした。そのまま飾るのでは能がないのでキャプションをつけた。
他の方の作品は力作ぞろいですので暑い日が続きますが足をお運びください。
「19」
娘が19歳の夏、隣の家が壊された我が家のガレージには奇跡的な光が差し込んできた。
19歳の夏というのは学生であるならば、これまた奇跡的な時間だと言える。責任もなく義務もなく、好きなことをしていればいい。
僕の19歳の夏はといえば、エアコンもない安アパート暮らしで絵に描いたような貧乏学生生活。夏休みというのにバイトもせず、喫茶店とパチンコ屋を往復する毎日だった。
ついに仕送りも底をつき、食べるものもなく、友人はおらず、進退窮まった。実家に避難するしかない。とはいえ、山形に帰る旅費があるわけがない。
部屋の隅に大学のガレージセールで5000円で買ったトヨビュー4x5があった。それを質屋に持っていくと思いがけず5万円で引き取ってくれた。
思わぬ大金が手に入り、浮かれた僕は実家ではなく夜行列車で北海道に行った。そしてお金が尽きると山形に帰った。30年以上前の話だ。
写真を撮られるのを嫌がる娘にお小遣いを渡し、2度とはやってこない19歳の夏をディアドルフを使ってガレージの下で撮っておくことにした。
ディアドルフ810
コマーシャルエクター10インチ
トライX
アドックスMC111