最初に買った文庫本は中1の春、北杜夫「船乗りクプクプの冒険」だった。

ギャラリー冬青では最近「写真家の本棚」という企画を始めた。展示している作家が自分の本棚から20〜30冊選んでギャラリーに運び、それを見てもらうという趣旨だ。

ギャラリー冬青からのご案内
●第三回目の=『作家の頭の中見せます』-「本棚か語る作家の素顔」を開催致します。
 今回の本棚は渡部さとるさんの本箱の一部を切り取ってお持ち戴けることになりました。
 
●先着10名様まで会費、無料。
 1月10日午後19時〜21時まで
※お申し込みはギャラリー冬青 のメール、電話03-3380-7123にてお願い致します。

そう言われて本棚を見渡すのだが、何せ壁一面が本棚になっていて、おそらく700冊以上の写真集と300冊以上の書籍がある。その中から選ぶとなると結構難しい。

僕が写真集を買い始めたのが35歳くらいだったと思う。20年で700冊ということは年間35冊だから月に3冊か。確かに今月も3冊だな。石内都とスティーグリッツと亀山仁。スティーグリッツは高かった。

高校と大学時代は暇さえあれば、というか暇で暇でしょうがないので文庫本ばかり読んでいた。江古田は学生街だから本屋も古本屋もたくさんあった。1日3店くらい行っていた気がする。

当時の夢は本屋の2階に住むことだった。海外に行くときも成田で大きな袋いっぱいの文庫本を買って畿内や現地で読んでいた。ネットなんかない時代、ちょっと辺鄙なところに行けば電話すらつながらない頃だ。司馬遼太郎村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」なんて超大作本を一気読みしていた。

しかし43歳のときに目を悪くしてしまい、以前のように小さな文字の文庫本を読むことはできなくなってしまった。本を読む速度もガタリと落ち、一冊読むのに相当の集中力が必要になってしまった。

最近はKindleや音声ブックサービスを使っている。これがなかなかいい。残念なのは本という物が残らないことだな。

1月10日にはたくさんの本を持ち込みます。本の話をするのは楽しそうです。