チェキSQ10

今回の伊豆旅には買ったばかりのチェキSQ10を持って行った。

SQの意味はスクエア。6.2センチ角のインスタントプリントができる。そういえば正方形サイズのデジタルカメラはPhase1P20以来だ。

「正方形のフォーマットは正面を探す装置だ」と名言を言った人がいた。誰だったかな?実に的確に正方形フォーマットの性格を言いあらわしている。

ローライフレックスを使って30年、体に正方形が染みついている。SQ10の液晶ファインダーを見るとしっくりするのだ。近頃は毎日持ち歩いている。

SQ10の味付けは濃い目になっている。コントラストと彩度はかなり高め。これはインスタントプリントしたときにちょうどよくなるように仕上げてあるのだろう。ホワイトバランスはとてもいい。さすがフジ。

ピクチャーエフェクトも色々選べるのだが、ノーマルを選択、コントラストは一番低く設定した。画素数はおよそ400万画素。モニターで見るにもプリントするにもちょうどいいサイズだ。

もうね、旅行に4000万画素はいらないの。10分の1で十分。バッテリーは1日使う分くらいはある。モバイルバッテリーでも充電できるのはいいね。

SQ10はインスタントプリントカメラなのだが、撮影するたびにプリントされるわけではなくて、気にいったもにだけ選んでプリントできる。記録カードに他のデータを入れればそれもプリント可能。誰かにあげても、もう一度プリントが作れる。

画質はといえばiPhoneに遠く及ばない。でもこのくらいの画質がちょうどいいのだ。真っ白けに飛ぶなんて久しぶり。どんどん飛ばず潰れずになってきて、それに伴いカメラがつまらなくなってきた。

チェキを買ったときにFacebookに写真をアップしたのだが、その中で「作品を作るときのポイントって何ですか?」という質問があった。

僕は「近頃は無邪気であり続けることができればと思ってますけどね」と返信した。

ステートメントから作品を作り上げるプロジェクト型が主流のようになってきて久しい。社会の問題や、痛みの共有というものが根底にある。ここ10年はそれらの制作の成り立ちをずっと調べてきた。

そういうことを全部知った上で自分がやるのは「初期衝動に基づく言語化できないもの」に絞ろうと思いはじめている。

「なぜこれを撮る必要があるのですか?」と聞かれたら「なんでだろうね、撮りたかったんだよ」と答えるしかないもの。これからはそんな写真を撮りたい。

高校生のときに毎日学校にカメラを持って行った。撮りたいものだらけだった。あのときの高揚感をチェキはちょっとだけ味あわせてくれる。