暗室の室温がぐっと下がり、デロンギ全開。

これまでワークショップの宣伝らしい宣伝をしてこなかったのだけど、そろそろ内容を分かりやすく説明したものを用意したほうがいいかなと思って作ってみた。

https://m.facebook.com/workshop2b/

写真が簡単に上げられて便利。これからこちらにグループ展情報など色々アップしていきますのでよろしくお願いします。

土曜日はちょっと早仕舞いをして、銀座月光荘3でやっている泉大吾「UNDER CURRENT」を見に行った。

しっとりとした銀塩モノクロプリントは銀の粒がたっている。思わず「どうやってフィルム現像してるの?」と聞いてみた。すると「すべて渡部さんのところでやっていた通りですよ」と言うが、とてもそうとは思えない。

彼は7年前2Bの講座を受けている最中に「アシスタントになりたい」と言ってきた。その時の僕はアシスタントを常時必要することもなく、単発でお願いすることでまかなっていた。

「必要ないから」と断ったのだが、なかなか引かない。会社を辞めたばかり、写真教育の経験は無し、しかも30歳。数年で一から写真を覚えるなんて無理。とても首を縦にふれない。

しかし話を聞いているうちに中国語が話せる、しかも仕事で使ってるいたということがわかった。親が中国人というわけではなく、大学で専攻した後に北京と大連に留学、その後中国関連の仕事についたという。つまり努力で外国語を手に入れたことになる。

当時英語を勉強し始めた僕は、その大変さが身に染みていた。 中国語をマスターできたのなら、写真もそうできるかもしれない。結局2年契約という条件でアシスタントをお願いすることになった。

決めては中国語とともに、育ちの良さを感じる彼の話し方だった。実はフリーのカメラマンで生きていくのに一番大事なのはそこ。この人と仕事をしようとしたいと思わせる雰囲気があることが大事だ。彼にはそれがあるように思えた。僕はずっとそれをアシスタント選考の基準にしてきて、結果これまでお願いしたアシスタントはほぼ全て写真で生きている。

泉は2年間の間に撮影、ライティング、レタッチ、フィルム現像、モノクロプリント、カラープリントとカメラマンに必要なことを全て覚えた。最後にニコンサロンでの個展までこぎつけたことで卒業となった。

その後は雑誌「東京人」の特集や別冊の仕事などをやっているようだ。年に一度イラストレーターの奥さんと一緒に海外を取材し、それを題材にそれぞれが個展をしている。

基本的に元アシスタントの写真は面と向かっては褒めない。照れがあるし、独立したものに褒めるっていうのも上からものを言うような感じだし。

でも今回のはよかった。あの写真家S.Tさんがプリントを買ってくれたそうだが、それもよく分かる。

泉には昨年の個展のときに「20年続けるといいことがあるよ」と言ったけど、もう少し早くそれはやってきそうな感じだ。