毎週のように写真集の打ち合わせ。
タイトルの「demain」とはフランス語で「明日」の意味。過去を思うことで明日を感じることができるというのがコンセプトになる。
写真はいつも過去のものだし、我々は今しか生きていない。明日を想像するとき、過去が必要になる。
「明日という字は明るい日と書くのね~」って歌謡曲があったな。誰が歌ってたんだっけ?
打ち合わせは毎回難航。昨日はまず最初に印刷見積書を見せられた。通常版プラス特装版さらに特別印刷。項目が多く数字がびっしりと並ぶ。
書店流通手数料を考えると経費の倍、いや本当は3倍に定価を設定しないといけない。赤字ギリギリで計算すると通常版3500円、特装版7000円となった。これだと刷ったものが全部売れてトントン。出版社側としては商売が成立しないことになる。ふたりでうーんとうなってしまった。
売らないといけない。でも売れるのか?日に日にプレッシャー増大。高橋社長はもっと大変。
デザイン打ち合わせが終わってやれやれと思っていたら、そもそもの話が出てきた。
判型が小さくないか?
今回は84ページ210x210ミリ。da.gasitaやpranaに比べてページ数は一緒だがサイズはふた回りも小さい。これは僕のオーダーだった。サイズはダミーブックを作っていく過程で決まっていったものだ。
ダミーブックは貼りこみがある分厚みが出る。束があるという状態だ。特装版はハードカバー なので厚みが出るから問題はないが、並製本の通常版だと薄く感じる。
このサイズに3500円というのは無理があるんじゃないかというわけだ。210ミリでなくとも、250ミリまでは印刷代は同じだからサイズを大きくするのはどうかということだ。
冬青社にある並製本を引っ張りだして比べてみる。確かに210ミリは小さく見える。250ミリは明らかに大きすぎる。220?230?
やっぱり210ミリで行きますと宣言して一旦は終了。自宅に帰っても210ミリ84ページで写真を貼り込まずにダミーブックを作ってみた。写真の大きさはベストだと確信。
心配した社長が電話をくれた。「サイズは大丈夫。でも確かに並製本だと3500円は高めに感じる人もいるでしょうね。並製本じゃなくてハードカバーだと問題ないと思います」と答えた。
「わかりました、、、ハードカバーの見積書出してもらいます、、、」
ああ、また社長を追い込んでしまった。