ひとりで食べる夜はうどんが多い。

妻が茅ヶ崎で陶芸の先生の展示会があるから見に行こうと言うので暑い中出かけることにした。

近所の小料理屋の前を通ると主人が店先にいたので挨拶した。カウンターと2階の小さな座敷だけの和食の店だ。


平日の昼間っから夫婦でプラプラしてて優雅だと思ってるよね

だね


電車を乗り継いで茅ヶ崎近くの熊澤酒造へ。
http://www.kumazawa.jp/mokichi/
何にもない住宅地の一角に酒蔵があり、そこの敷地にはイタリアンレストラン、日本食レストラン、カフェ、ギャラリー、パン屋、有機野菜直売所があって、ちょっとしたリゾート地になっていた。昔の建物を生かしていて趣がある。

先生の新作から湯のみをひとつ選ぶ。家で使う食器の多くは先生のものだ。妻が一時期陶芸を習っていて、果敢にも食器に挑戦するが早々と才能に気がつき、先生のものを買う方がいいということになった。たいへん賢明な判断だったと思う。

その筋で生きている人の作るものには魅力がある。食器は日々触れるものだから、徐々に先生のものが増えていった。

ゴム版画作家の展示もやっていて、自家製本があったのでそれも購入。良い手触りだ。カフェで休憩して、いざ鎌倉へ。

今年になって友人Mが、20年続けた東京のお店をたたんで鎌倉で食堂を始めた。『香菜軒』というカレー屋さんだ。以前は西武線の富士見台駅近くにあった。

鎌倉のお店では持ち帰りが基本だが、テーブル席はひとつだけある。そこで久しぶりに彼の作るカレーを食べた。風干し野菜のカレーとカツオのカレー。おいしいというだけでなく、いつも、食べるたびに、気持ちがすっきりする。

日が暮れる頃に店を出て、鎌倉駅に着く頃にはすっかり日が落ちていた。

駅のホームで売っていた鯵の押し寿司を夜食用にひとつ買う。

家に戻り今日買った湯のみでビールを飲んだ。ガラスのコップでは出ない、クリームのような泡が出た。