27日水曜日、ギャラリー冬青は21時まで開いています

月曜日はギャラリーはお休み。そのかわり日本カメラ月例コンテストモノクロの部の審査日だった。

人形町の編集部に行くと、まずは編集者と一緒にお昼を食べる。おいしいところがたくさんある町なのだ。今月は洋食屋さんだった。ビーフシチューとヒレカツとクリームコロッケ、ロースハムとポテトサラダのお重。食事後に快生軒でコーヒーを飲むのが決まりで、編集者と色々話す。

編集部に戻ると一階の部屋に積み上げられている2000枚以上の応募プリントを延々と見ていく。編集者は立ち会わないのでひとりで全部見る。見ることに関しては数が多くても辛くはない。

カメラ雑誌の月例コンテストというのは、世界でも稀な存在らしく特に日本カメラ、アサヒカメラの両老舗雑誌には毎号毎号多くの写真が送られてくる。カラー、モノクロなどすべての部門を合わせたら一誌で5000枚以上だ。

その多くがストリートスナップ。今では撮ることが難しくなりつつあるストリートスナップが月例コンテストでは光を放ち続けている。これはやはり戦後土門拳の提唱したリアリズム主義からきているんだろうか。「絶対非演出の絶対スナップ」ってスローガンみたいなもんだから。

それにしても金賞は毎号凄い。よくまあこんなところを撮ったものだと心から感心する。へーっという言葉しかない。被写体に体当たりしている感じだ。

これを世界の人たちが見たらどう思うんだろう。海外のフェスティバルに持って行って展示したら反響があるんじゃないかと思う。できれば選ばないでそのまま見せたいくらいだ。日本の写真の凄さってもしかしたらここにあるんじゃないか。

現代アートになんかまったく寄り添わない独自の道を進む姿勢は清々しいほどだ。「写真は写真だから写真でいいのだ」と言っているようだ。

夕方順位決めに唸って、ようやく決まった後にはもう外は真っ暗。次の日からは19人分の講評とまとめを書かなければならない。それを仕上げて初稿を戻すとまた翌月の審査日になっている。

月例コンテストをやると一年があっというまだ。