荷造り完了。カメラはローライとトライX20本。それとNewGR。

フラクションマガジンジャパン9号に「da.gasita」が掲載された。
http://www.fractionmagazinejapan.com/

今回は森永純を始め、冬青の高橋社長セレクトということで、冬青から写真集を出している5人の作家の作品が紹介されている(中島恵美子・染谷學・山下恒夫・田中亜紀・渡部さとる)。選んだ基準はステートメントにあるように「不遇の世代」ということらしい(笑)

またマーティン・パーや川田喜久治のインタビューも掲載している。どの写真雑誌より濃い内容のインタビューで、聞き手の力が川田さんを刺激して、そのやりとりは読んでいて思わず引き込まれた。字数無制限のオンラインの強みが生きている。

インタビュワーは永田陽一さん。彼はレビューサンタフェで出会ったオンラインマガジンFraction Magazine のDavid Bram氏と一緒に日本版を運営している。

川田さんのインタビューを読んでいると「全身写真家」という感じがして、自分のことを写真家などと肩書を付けていることが恥ずかしくなる。

写真の分野はほかのアートに比べて作品制作に作家が関わっている時間が極端に短いとされている。たしかに僕自身、日々写真について考え続けてはいるが、実際に撮影、プリントといったことが生活の大半を占めているとは言い難い。画家であれ、彫刻家であれ、毎日のように制作している人は山のようにいる。

川田さんは毎日撮ることを自分に課しているとインタビューの中で言っている。日々の生活の中にご飯を食べるとか散歩をするといったことと同様に、写真を撮ることが含まれているのだ。

30年以上やっていると、段々慣れてくるのがわかる。何を見ても「以前撮った」という感覚はぬぐえない。慣れは写真にとって良いことよりも悪いほうに作用するのを感じる。

「写真は経験と習熟が役に立たない唯一のアートだ」と言われている。

とかくアウトプットのクオリティを追い求めがちだが、本質はそこにはないということなのかもしれない。

「どのようにアプローチするか?」現代の写真を見ているとそこに落ちていく気がしている。