2002年の12月9日にこの日記を始めた。http://d.hatena.ne.jp/satorw/20021209
昨日で10年がたったことになる。
僕の嫌いだった言葉に「継続は力なり」というのがある。中学校の体育館の壇上横に掲げられた標語で、中学生の僕はあれを見るたびにうんざりしていた。校長先生は講話の度に「継続は力だ」と言っていた気がする。
それが近頃ではインタビューを受けると自分から「続けることの大切さ」なんて言っているわけだから歳をとったわけだ。考えれば歳を重ねたものができるのは、続けることだけなのかもしれない。
2000年にwebサイトを作り、そこでコラム形式で写真やカメラのことを書いていた。その頃はまだブログという形式もなかったころで、テキストのアップはデザイナー経由だった。
そこへ「さるさる日記」というサービスが始まり、毎日自由に書けるということで2002年の12月から書き始めた。
42歳、まだワークショップも始めておらず、一冊写真集を出したことのあるフリーカメラマンの日常雑記だった。一眼レフデジタルカメラのキヤノンD60(60Dではないよ。600万画素のデジタルカメラ)を買って半年くらいの時期で、まだまだシノゴやハッセルがメインカメラだった。
その頃はフリーカメラマンの生活を満喫していたのに、翌年にワークショップを始め、『旅するカメラ』を出して、突然目を悪くするという今から考えたらジェットコースターのような人生になるとは日記を始めた頃は想像もしていなかった。
10年ひと昔。
10年前に描いていた未来とはとずいぶん違ったものになっているな。そもそもいったいどうなりたかったんだろう。
今日から10年後、2022年には僕は62歳になっている。ずっと写真を撮る人でいたい。それだけが願いだ。