インドネシア2012 その7 ウブドゥへ。

スンバワ最終日、午前中に最高の町歩きをした後、午後3時の飛行機でバリ島に戻ることにしていた。

地方空港の待合ロビーには売店もないし、待っているお客もチラホラ。横に座っているのは言葉から推測するにフランス人か。小さな子連れもいて驚いた。アジア人の観光客は我々のみ。

滑走路に目をやるとヤギがのんびり草をはんでいた。

ところが3時を過ぎても一向に飛行機がくる気配もなく、乗客がちょっとジリジリし始めた。皆、一様に滑走路を凝視する。そこへようやく4時すぎに出ることがアナウンスされた。

1時間後空港職員がヤギを追い払い始めたなと思ったら飛行機が到着。双発の大型プロペラ機だ。およそ1時間かけてバリ島デンパサール空港へ。

空港に着いたら日差しがこれまでとまったく違うのに驚いた。この旅の間はずっとグズグズしたお天気で、たまに日はさすもののすっきり晴れ渡ることはついぞなかった。

バリは空気の粒子が違うんじゃないかというくらい気持ちがいい。ようやく南の島へ来た気分になった。

空港の観光案内所でホテルを予約する。翌日は高級ホテルに泊まることになっているので、なるだけ安いホテルを探す。

「リーズナブルなホテルをお願いね、ラクシュアリーじゃなくていいからね。リーズナブルなとこだよ」としつこく繰り返す。じゃないとすぐに高いホテルを勧めようとするから。結局2名朝食付き3500円の部屋を取った。

今夜は空港から1時間半の山の中、ウブドゥに泊まる。宿はモンキーフォレストの入り口にある。「ちょっと前」にきた時はウブドゥは確かに「神々の島」という感じが満載だったが、今やその面影はまったくなく、神様も逃げ出してるんじゃないかというくらいの喧騒だ。

安かった割にはいいホテルで、バリに来た気分に浸ることはできた。しかし夕食を食べにいったレストランは観光地そのもので、こじゃれたメニューと大げさな盛り付けなのだが味のほうは今ひとつ。しかし4日ぶりに飲むビールはキンキンに冷えていた。

翌日午前中にタクシーを3時間2000円でチャーターし、ライステラスや遺跡の観光地を回った。快晴、空には真っ白な雲。日差しは強いが透明感がある。バリって本当に特別だなと思える。

そして12時、宿に最高級ホテル「ロイヤルピタマハ」から迎えの車がやってきた。ロイヤルである。迎えの車の内装は革張りである。

一泊およそ4万円。「ワンナイトドリーム」の始まりだ。