江古田の駅前もも大分変わってきた。

大学時代仲の良かった友人と27年ぶりに江古田で会った。駅前にある昔の名前のまま続いている居酒屋へ入る。

彼は大手の新聞社の写真部デスクを長年勤め上げ、先月現場を離れた。新聞社のデスクというのは神経を使うハードワークであることは「兵隊」時代によく知っている。

企業で50歳というのは節目なのか、一線を離れるものが多い。

学生時代、お互いの就職先が新聞社になり、彼は「すぐに辞めてフリーになるんだ」と言い、それを聞いた僕は「自信ないなあ。俺は会社勤めで一生終わるんだろうなあ」と言ったのを覚えている。

彼はこれから再び写真の世界に戻ると言っていた。激務を終えた、ゆとりのようなものが漂っていていい感じだった。

年末にかけて少々慌しくなってきた。今までならこの時期企業の仕事で海外へ行く仕事が入っているはずだが、このご時世か連絡がない。10年続けた仕事だったがこれも順番が終わったということだ。

それに変わって近頃は写真雑誌の仕事が多い。来月発売の『日本カメラ』では7ページに渡りモンゴルの写真が掲載され、『デジタルカメラマガジン』では「SHORT TRIP」というリコーの企画ページでGRD3で撮影した青森を4ページ掲載する。

それと久しぶりに週刊誌の仕事が入った。ちょっと長めのグラビア取材ものだが、週刊誌は何年ぶりだろう。以前は週刊文春だったが、今回は週刊現代だ。

現場は離れたくない。いつまでも写真を撮っていたい。カメラマンなら誰もが思うはず。

写真が撮れるのはそれだけで幸せなのだ。