朝3時半に米沢出発。4時間半で東京に着いた。

13日の朝、5時半に東京を出たのに東北道宇都宮と須賀川で25キロの渋滞に2度引っかかる。7時間半かけてようやく米沢へ。

お盆に帰らなくてもいいのだろうが、お盆にお墓参りしないとなんだか気持が悪いし、家族が一斉に休みをとれるのは今ではお盆と正月だけ。

田舎の長男なので帰ったら帰ったで忙しい。お寺や親せき回り、母の病院の用事もあってゆっくりする暇などなし。

高校時代仲の良かった友人のお母さんが先週亡くなったので、昔の仲間が彼の家に集まった。ちょっと前ならそのまま朝まで飲むのだが、それぞれ「母が熱中症で昨日倒れた」とか「父が心筋梗塞で今寝たきりの状態で」など親のことで酒を飲むこともなく別れた。

別れ際ひとりが「昔は自分のことだけ考えればよかったんだよなあ」とぽつり。自分に起こっていることは、当然皆の問題でもある。

母は先月、より介護度の重い人用の施設へ移った。母を連れだしてお墓参りをしてファミレスで休憩。久しぶりに3人の孫に囲まれて笑顔の母は、はたから見れば幸せなおばあちゃんに見えたことだろう。

施設では子犬を飼っていた。ケアドックというらしい。ボールのようにポンポン跳ね、娘たちは夢中だ。

呆けてしまったらネコになれればいいのに。そしたら連れて帰ってずっと可愛がれるのに。

我ながら身勝手な息子だね。

別れ際「帰るよ」という言葉を出すのがつらい。一緒に帰ろうとする母を施設の人がなだめてくれる。

苦しくて母の方を振り返ることはできなかった。