まるで牛肉?と思えるほどの「鮪の炙り焼き」

新聞社時代の後輩がたまにメールで近況を教えてくれる。近頃は誰それさんが亡くなりましたというのが多いが。

いそがしい彼と実に久しぶりに会うことができた。待ち合わせは銀座のレモン社。別件の打ち合わせが思ったより早く終わったので30分以上物色できた。意外と値段は変わっていないという印象。ライカのRのボディは安くなったな。

10年ぶりくらいに会った彼の髪の毛は白くなっていた。お互いの頭を指差して笑う。

彼は僕が3年目の時に入社してきた。だからたった1年しか付き合いがないことになる。でも不思議と深いつながりを持てた。

未だに現場の一線にたつ彼の話を聞きながら酒を飲む。デジタルになって現場は大きく変わったようだ。オートフォーカスの精度もあがり、ピントぴったりインパクトばっちりの写真はもは不要だそうだ。いまにドラマを感じさせるかがポイントなのだろう。

彼からメールがあったときなど、たまに「あのまま新聞社に残っていたらどうなっていただろう」と想像することがある。今思えば本当にダメ社員だった。もっと大きくことを見ることができていればと思うこともある。

でもあのプレッシャーをそのまま続けることは僕には無理だった。辞めるときはもう現場経験は若手では他の誰にも負けないくらいの自信があった。だから辞めると決めたときは実にさっぱりしたものだった。

僕は未だに経歴書に「日刊スポーツ入社。スポーツ報道写真を経験」と書いている。これが僕の写真のルーツでもあり誇りでもある。

彼が連れて行ってくれた築地場外の店は久々に大ヒットだった。ここ近年でベストワンと言っていい。酒もつまみも〆のカレーうどんも最高にうまい。誰かに「おいしいところない?」って聞かれたら自慢げにいいたいところだ。さすが築地である。

そんなに飲んでいないのになんだか凄く酔ってしまった。でも気持ちの悪い酔いかたではない。今日の目覚めは最高だった。