3千円展終了。朝日新聞にも記事が掲載されて、予想だにしないビッグイベントになった。140人参加で総枚数400枚のプリントが売れたと報告があった。
僕の写真は44枚が売れて、10枚一口5千円の参加費を払ったとしても10万円の売上となった。
このお金は他には使わず誰かのプリントを購入しようと思っている。10万円の予算であれば国内作家のほとんどを買うことができる。他のジャンルのアートでは考えられない。
今回は「売りましょ買いましょ」が主旨だったので言い方は良くないかも知れないが「売れる」と自分が思った写真を出品した。3000円の商品として納得してもらえるものを考えてのチョイスだ。
インクジェットでプリントしてもっともよくなるように紙を数種類を購入してテストした。エプソンの高級紙3種類(A3ノビでしか売っていないのでカットしてA4にした)、シルバーラグ、そして局紙。
結局局紙が一番ハイライトがさえて今回のイメージに合った。
当初スキャン原稿として使ったオリジナルのプリントも後ろのほうにしのばせておいた。でもやっぱりインクジェットのほうから売れていったようだ。インクジェットで出力して一番よくなるように作ったわけだから当然なのだが。
昨年、あるチャリティ展示にに作品を出した。作品を壁に額装して気にいってもらえたらその場で額ごと購入でき、代金1万円はカンボジアの寄付にまわるというものだった。ひとり最大5点の写真を出すことができる。
僕はミャンマーの「シリーズ」を出した。5点で見たときのバランスを考えてバリエーションをつけた。
ところが会場に行ってみてその行為が馬鹿げたことだと気づかされた。
この目的は寄付にある。どんなに作品がよくても作品が売れなくては何にもならないのだ。自分が作品を出し、買ってもらうことで寄付が成立するという単純なことがきちんと理解できていなかった。
結局5点中1点しか写真は売れず、主催者側に申し訳ないことをした。自分の考え違いで4点分無駄な労力を払わせてしまったのだ。だったら確実に売れる2点を出したほうがよかったのだ。
今回買っていただいた方がその後後悔しないように僕は制作活動を続けていく。それが作品を買ってくれたひとへのアフターサービスだと思っている。
横木さんと五味さんの投げかけた波紋は大きく広がっている。sincの活動はこれからが楽しみだ。