キノコ鍋で打ち上げ。

金曜日夜7時から渡邉博史写真展 トークショーの進行役を務めた。

渡邊さんのプロフィールを見ていくと2000年から写真家になったと書いてある。47歳のデビューということだ。1995年から制作活動を始めてわずか数年でアメリカ国内で5つのギャラリーと契約しているプリント作家となったわけだ。

それ以前は写真を見ることは好きだったものの、まったく写真を撮っていなかったのに、ある日目覚めたら写真家になると決めたという。

ありえない、としかいいようがない。もうひとつありえないのはMBAホルダーということだ。そんな写真家聞いたことがない。

3年間撮りためた作品をサンタフェで開かれたフォトフォリオレビューに持ち込み、その中のニューヨークセンタービルが写っていた写真が著名なディレクターにその場で買い上げられ、それを機に次々とギャラリーと契約が決まっていく。まるでアメリカンドリームを地でいっているような話だ。

始めたばかりの頃はシノゴも使ったが、その後すぐに現在のスタイルであるハッセルとなり、今はすべての作品をハッセルで生み出している。

ボディはフォーカルプレーンシャッターの203FWでお気に入りのレンズはF110ミリだそうだ。それにトライXを詰めて手持ちで撮るのが渡邉スタイルだ。

印画紙は冷凍保存で蓄えてあるコダックファインアート。伸ばし機はシノゴのサンダース(日本名ではLPL)を使っている。フィルム現像液はエクストール。

プリントの話は調色の手法まで及び、個人的には大満足のトークショーだった。

冬青のトークショーのいいところは、終了後ビールを飲みながらの軽いパーティ形式になり作家と直に話ができる時間を設けている点だ。どんな作家ともおくせず話ができるチャンスがある。

新宿エプサイトで亀山 仁写真展「水の回廊」を見に行く。彼は2年間で3回ミャンマーへと足を運んでいる。最初のきっかけとなったのは2006年暮れに僕と一緒に行った時だった。

モノクロ作品で撮られたミャンマーシリーズが好きだったが大伸ばしされたカラー作品も面白い。

それにしてもミャンマーというのは美人揃いだ。それは行った時に感じてはいたが、こうやって見せられると驚いてしまうほどだ。

メイン会場で中野正貴展をやっていた。写真集よりずっと理解できた。人がいない東京の面白さは巨大プリントになってより増してくる。