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ところがU2のボノをはじめ、ゲストがマスコミ用に来ると、途端に顔の部分の人たちがボノ見たさに崩れた。その場所をキープするようにというゴームリーの言葉がむなしかった。

それはとてもとても醜い形だった。顔の部分に腫瘍のような膨らみができたようだった。

ボノが去るとまたもとのような顔に戻った。でも僕は、もう一体感は失われてしまったような気持ちになってしまった。

ゴームリーのやったことは立派なアートだった。シンプルなアイディア、シンプルな手法作ったものは力強い。参加していて全体の中の個を強く感じた。

最近僕は写真を撮るときにいかにシンプルにするかということだけを考えている。シンプルなもので成立したものはずっと残っていくと思うのだ。

期せずして今回のイベントでそれを確認することができた。

港の見える丘公園」にある神奈川近代文学館澁澤龍彦回顧展を見て帰った。

澁澤龍彦も凄いけれど、交友関係の凄さはため息が出る。