菊の花のおひたし「もってのほか」という名前だ

パリから帰ったと思ったら、次の日から米沢へ。

母を病院に連れて行く日がちょうどパリ帰国の翌日だったのだ。

母はある部分の記憶がフォルダごとなくなっていて僕や妹が自分の子供であることは、まだ十分理解していない。「いつもよくしてくれているけど、私にとてあなたはお兄さん?」「違うよ、あなたのこ・ど・も」「そおかなあ」

でも家事はできるようになってきて、昨夜驚いたのは味噌汁を作ってくれたのだ。おいしかった。

子供のことは記憶から抜けているくせに孫のことだけはちゃんと覚えている。すべての関心事は孫のことだけ。「僕は孫の親なんだからおばあちゃんにとって僕は息子でしょ」「ああ、そうか」

まあとにかく元気だから問題はない。でも火の始末と迷子が怖い。この間も家の周りで迷ってしまったようだ。

米沢にもシノゴを持ってきた。今日もしばらく歩いたがシャッターを切ることはなかった。気楽に撮れない分よく見るようになる。

明日は帰らなければならないから早起きして撮りに行こうと思う。

米沢に帰らなければいけない事情ができたということは、米沢を撮るチャンスができたということだ。