もうひとつ上から

さて、いったいどこに写真が展示してあるのかと思えば、なんとセーヌ川の橋の上。カプセル状の展示ブースに5点のイメージが収まっていた。すごいのはそのロケーション。写真の向こう側にエッフェル塔が見える。http://image.blog.livedoor.jp/gallery2c/imgs/8/0/80eac7af.jpg?blog_id=1349266

プリントはアルミの板に焼き付けてる。インクジェットなのかと聞いたら「シルバープリントだ」といことだった。トーン、濃度、解像度ともに十分満足のいくものだった。雨に濡れてもダメージはなく、夜になるとカプセルの中の照明でライトアップされる仕掛けになっている。

写真の横にはタイトルと作者名、それに選んだキュレーターが、写真から感じ取った、きちんとした長文のキャプションを寄せている。

アルルで僕を今回のビエンナーレ関係者に紹介してくれたキュレーター「こういった形の展示は初めてだと思うが不満はないか?」と聞いてきたが「とてもいい展示だと思う。ありがとう」としか答えられなかった。

最初に「アウトサイドでの展示だ」と聞いたときには正直素直に喜べなかった。ただボードに貼り付けられただけの展示なのではないかと思っていたからだ。

僕が見ている間にもたくさんの人が楽しむように写真を見てくれている。オープンスペースのメリットと、作品の質の維持がきちんとなされている。

今まで展示はそのスペースにもっともあった状態のものを、と言ってきたが今回の展示はまさに見本のようなものだった。