インドは魂を奪う

成田から7時間かけてシンガポール。3時間のトランジットの後4時間かけてインド・バンガロールへ。

インドは初めて。なぜか行ったことはなかった。インドの事情通から聞いた話では、バンガロールはIBMやマイクロソフトなどIT系大企業のビルが林立していて、インドITの総本山的な言われ方をしている。インドであってインドではないと言われていた。勝手なイメージは幕張のような近代都市かと思っていた。

なのに、たどり着いた空港は国際空港と呼ぶにはあまりに貧相で、預けた荷物がちゃんと出てくるか心配になった。空港から外に出ると人、人、人の波。

出迎えのためのネームカードを持った人が両脇にびっしりと並んでいる。真っ暗な中に真っ黒な顔。目だけが白く浮かび上がっている。

ホテル出迎えのタクシーは、これまた道をびっしりと埋める車の波を縫うようにクラクションを鳴らしぱなしで進んでいく。この地では、クラクションは常時使うがウィンカーはほとんど使わない。バイクと三輪オートリキシャと車がわずかな隙間に鼻先を突っ込んでくる。

IT企業の街という印象はどこにもない。大通りから未舗装路の道に入っていく。とても1泊45000円のホテルへ続く道とは思えない。どんなところへ連れて行かれるのかドキドキしていると、突然目の前に別世界のような巨大ホテルがそびえていた。

部屋の中は、見た目は立派なのだがあちこちにほころびが見える。デザインは奇抜だが使いづらい。特にバスルームを使うにはパズルのような知恵を要求される。窓の外にはゴルフ場が見える他はIT産業を思わせるビルなどどこにもない。

バンガロールと言っても場所が違うのかなと思っていたら、まさにそのホテルがIBMやマイクロソフトの敷地と隣接しているというのだ。