上からどうぞ3

リヨンまでの列車の旅は余裕があったらお勧めしたいほど車窓の眺めはいい。でもそんな気持ちにはとてもなれない。

列車は遅れを取り戻すように速度を上げている。リヨンに着いたのが5時ジャスト。ホームへ降りるとそこへ滑り込むようにTGVの列車が滑り込んできた。でもどこ行きだか分からない。乗り込もうとした女性を捕まえて「ゴー!パリ!ガルドリヨン!」と叫ぶと「ウィ」

やった、間に合った。とりあえずこれで帰れる。このTGVに乗ればパリに7時半に着ける。8時半には空港だ。

フランスの鉄道には改札がない。乗り込もうと思えばチケットがなくても乗ることができる。列車に乗り込んだ我々は、とりあえず食堂車で模様をみることにする。ビクビクしながら乗っていたが係員は素通りしてく。もしかしてタダ乗りできるかもしれない。

しかしパリまで30分のところで係員が「チケットを拝見できますか」とやってきた。言葉が通じないふりをしたが通じるわけもなく、リヨンまでのチケットを見せる。

「これではパリに行けません。あなた達はパリまでのチケットを買わなければなりません」ビクビクしながら料金を聞くと日本円で1万5千円。なんだ、それくらいなら払うよ。5倍っていうから7万円は覚悟していたのに、実際は1,5倍くらいの感じだ。

7時半パリ到着! やったこれで帰れる。鉄道も考えたが乗り換えもあるし(パリの駅の乗り換えは段差があって大荷物を持っての移動はとても辛い)、時間もかかるからと、外でタクシーを捕まえることにした。するとタクシー乗り場には長蛇の列が。