午前中2Bで撮影の打ち合わせ後、冬青に写真集初稿の確認に行く。
デザイナーの橋本さんが表紙デザインを2案作ってきてくれた。即座に片方を指差し「コレ!」と決めてしまった。何も言うことなし。シンプルで美しいデザインだ。橋本さんに頼んでよかった。
さて200点の写真全てが印刷されて出てきている。1枚の大きな紙に8枚の写真が印刷されている。それを折って裁断したものができていた。
ドキドキしながらページをめくっていく。モノクロがちょっとネムイ。コントラストが足りない状態をネムイと言う。黒もないし、真っ白もない。つぶれず、飛ばず、と考えるあまりベタっとした印象になってしまった。
カラーはポジが若干重め、ネガは軽めで、全体的にシャープネスが強い。
印刷所の担当者と冬青の社長、それと僕とで1枚1枚確認していく。モノクロは冬青の社長が数字を使って指示を出す。その指示はいつも関心してしまう。あいまいな「もうちょっと黒く」などとは言わない。図を描いてトーンカーブの切りかたまで説明し、黒とグレーの割合を変えていく。
モノクロの時はただ「ほーっ」と感心して聞いていた。ときたま「ここは飛ばしちゃってください。ここはデータがないので潰してください。ただ輪郭はわかるように」とイメージを伝えていく。
カラーは色のことがカラープリントで分かっているので結構的確に指示出しができた。「これはYとMをもっと盛ってください。色を引くのではなく足す方向で考えないと褪せた感じに見えます」
印刷もプリントもYMCだから考え方は一緒なのだ。ネガカラープリントの時にアシFに指示を出すのと同じ。それで十分印刷所の人に話が通じた。
今回の写真集は色々な意味で今までの全部を出すことができている。
帰りがけ1階の写真展を見る。ヨシ比嘉(比嘉良治)写真展「虹の暗箱」
http://www.tosei-sha.jp/gallery-top.htm
ピンホールで撮られている。が、ピンホールらしくないピンホール写真だ。多重露光をしてイメージをダブらせているのだが陳腐さはまったくない。キュビズムを彷彿させるようだ。
少しだけ作者に話を伺えた。手作りピンホールで撮影していて、カメラを見せてもらえた。これからこの写真が生まれているのか。写真はカメラじゃないな(笑)