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挨拶もそこそこ写真を物色する。RCペーパーで焼かれたものの中にはバライタ印画紙のものもある。思わず「ここにあるもの全部千円なんですか?」と聞いてしまった。並べてあるものもケースに入れてあるものもRCバライタ問わずモノクロは全部1000円。カラーは2000円だった。

炭鉱のバライタプリントを2枚、海が写っているものを2枚選んで購入した。4枚買っても4000円だ。

一緒に行った人たちもそれぞれ好きな写真を選んで買っていた。風間さんに聞いたら一日5枚ほど売れるということだった。ただしニコンキヤノンをぶら下げているおじさんは見向きもしないという。なんとなくわかるような気がする。

1時間ほど色んな話を伺った。でも記憶に残ったのは写真の話ではなくて「焼酎を1日1リットル飲む。身体のためを考えてウコンで割っている。毎日5時間飲む。昔は一ヶ月出一升瓶20本焼酎を飲んでいた」という武勇伝。なんだか昔ながらの作家のようで格好がいいではないか。今年46歳というから僕と同年代だ

風間さんは北海道の夕張に20年近く住んでいた。数年前北海道に行った知り合いは風間さんの自宅ギャラリーを訪れている。

風間さんの家の窓にはガラスがなくビニールがヒラヒラと貼られていたそうだ。冬でもそのまま。夕張の冬はマイナス20度になるはず。自分のことを「体が弱い」と言っている風間さんだが、そんな部屋に住めるのなら十分丈夫なような気がするが…焼酎を飲む理由も寒さ対策だったのだろうな。

伝説になるであろう井の頭写真販売を堪能し、帰り道「狼の毛で作った筆」を買い、吉祥寺駅前のハモニカ横町で飲んで帰った。かなり充実した休日である。