煮物、刺し身、やっこ、みそ汁。日本はおいしい。

筋肉痛で身体が、特に足が悲鳴を上げている。撮影最終日に峡谷に下りたのがたたっているのだ。

日本では考えづらい急勾配を往復2時間かけて上り下りした。でもそのかいあっていい風景にも出会えることができた。その代償と思えば安いもんだ。

それにしてもアシFが来てから撮影が肉体的になってきた。今回のハワイ島撮影はFのアメリカ経験が大きく役にたった。運転から通訳、細々したことまで助けてもらったおかげで撮影に専念できた。

今までアジアが中心でハワイなんて気にもとめなかったのに、今年の4月に突然ハワイに目覚めた。きっかけは雑誌「リラックス」のパワースポット特集でハワイ島を取り上げていたからだ。誌面の写真(ファッションだったが)を見たときに何か感じるものがあった。

その次号の特集を撮影していた時に、ハワイロケに行った編集者にハワイ島の良さをふきこまれたのだ。

行きたいと思っていたら書籍のための写真を30枚必要な仕事が舞い込んできた。今までの写真でもいいということだったが、テーマが「朝」だったのでこの際ハワイで撮り下ろしをすることに決めたのだ。ハワイ島は目覚めの雰囲気がある。

示し合わせたわけでもないのに、驚いたことに作家もハワイで書くということだった。ハワイに何かの一致を感じた。

これから現像の引きとりに行く。デジタルとは違ってどう写っているか分からないからドキドキである。

アルルの写真フェスティバルに単身行った「天才O」がオランダ、ドイツの美術館に認めらた。アルルでの展示はすでに決まり、ロンドンの雑誌からの撮影依頼もあり、ヨーロッパでの写真展も決まりそうだ。

ずっと「Oは天才だ」といい続けていた僕は、自分の見識が認められたようで嬉しい。Oはしばらく向こうに留まり話を具体化させるようだ。