もうライカなんていらない。大きいし、重いし、ピントが見えづらいし、ヘキサーがあれば十分。
ヘキサーは、レンズもいいし、マニュアル露出もできるし、サイレントモードまでついている。
ヘキサーは、ファッション写真家のピーターリンドバーグも愛用している。撮影時には3台のヘキサーを首からさげ、フィルム交換ならぬカメラ交換で撮影していた。
リンドバーグにあやかり2台目を探していたら、初期型ヘキサーブラック(今僕が持っているのは後期シルバータイプ)が安く手に入った。
あるカメラが気に入ると、どうしても2台欲しくなる。ハッセルもローライもマミヤもシノゴにいたるまで2台づつ揃えた。
白と黒のヘキサーを前に満足していたら、もう一台小さなカメラがでてきた。ライカCLだ。
内蔵の露出計が壊れ、角の一部が軽くへこんでいるがシャッターの調子はいい。塗装もまだきれい。買うつもりはなかったのだが、値段が安いのと、形の良さにやられてヘキサーとともに買ってしまった。
久しぶりに妄想がふくらむ。ヘコミをたたき出してもらい、メーター用の腕木を取り外す。そうすることで沈胴式のレンズや後が出っ張っているレンズも使うことができる。
レンズは付いていないので、かえって楽しみが増えた。標準でいくのか広角でいくのか、21ミリあたいもいい。
空シャッターを切りながらあれこれ思いをめぐらす。秋の楽しみがひとつできた。