親子丼、冷奴、豚汁

原美術館の「やなぎみわ」無垢な老女と無慈悲な少女の信じられない物語
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html

やなぎみわ」は初期の「エレベーターガール」からずっと気になっている。エレベーターガールはコンピューターグラフィックを使って制作された完成度の高い作品だったが、次作「グランドマザー」からは銀塩写真に変わった。

今回の童話を元に作られた「寓話シリーズ」や「砂女」は、より銀塩度が高まったような気がする。ショートムービーを見ることによって、今回の製作意図が伝わってきた。動くキャプションといったところだ。

やなぎみわ」は写真家としてではなく、現代芸術家として扱われている。杉本博司展や今回の展示を見ると、現代芸術家というのは頭の中の漠たるイメージを、ある手段をもって具体的に再現できる人を指すのだなと実感する。

四谷三丁目のギャラリールーニィで秋山健一郎 写真展「そして此処に至る」が今日から始まる。
http://roonee.livedoor.biz/archives/50038754.html

彼はワークショップの受講者で、今回が始めての個展になる。なにもかもが始めての経験のため一旦展示したものが翌日全て剥がれ落ちて初日の朝まで展示のセッティングをしていた。顛末はこちら。
http://tokyo-photo.jp/

そのかいがあって、とても面白い展示になっている。写真は今は妻となった彼女との、学生時代から知り合って20年分の記録だ。

見ていてドキドキする。距離が近いとか、相手がリラックスしているとではなく、彼の彼女を見る視線が伝わるのだ。この写真は彼以外に撮れない。

きれいな写真や上手な写真を見てもなんとも思わない。誰にも代わりができない写真を見ると心がザワザワと動き出す。