牛スジ煮込みの刀削麺。まんま香港の味だった。

朝9時から「妖怪大戦争」を家族で見に行く。

内容は子供向けの娯楽作品なのだが、大人が見てもちゃんと楽しめる。さすが数多くの作品を撮っている「叩き上げ」の監督だ。ツボを押さえている。

その後横浜中華街へ。なんでわざわざ中華街かというと、ギャラリー「パストレイズ」で馬場磨貴写真展「夜の河」をやっているからだ。昼食を食べた後妻子と別行動でギャラリーへ。

夜、黒布を敷いたところで女性に全裸で寝てもらい、一晩かけて寝姿を撮るヌードシリーズだ。写真展を見に行った知人の感想で「いとおしい」というのがあったが、まさにその言葉がぴったりくる。それでいて官能的で美しい。

彼女のことは一方的に知っていた。以前の僕のアシスタントが「写真学校の同期で天才がいます」と彼女のことを教えてくれた。卒業制作は「太陽賞」を受賞している。それ以来、ずっと彼女の動向を気にしていた。朝日新聞系の雑誌でクレジットを見ることが多かった。

今回は作品を購入するつもりで見に行った。彼女は僕が「前から目をつけていた作家」ということになる。今ならまだ買える値段だ。おそらく数年後には手が届かないところまでいってしまうだろう。

どの作品にするか1時間以上悩んだ。悩んで悩んで、結局ストレートプリントではなくて、汚したガラス板を通してプリントしたものを選んだ。サイズは小全紙だ。

購入動機には、「2度と同じプリントができない」という希少性もあったが、なにより物として美しかった。

値段?値段は国産中古1眼レフ1台分でしかない。その値段の中古カメラはただのガラクタだが、プリントは違う。数年後、僕はその先見性の高さを自慢しているはずだ。