新橋で鰯料理のお店

あやうく犯罪者になるところだった。

米沢の友人から今朝電話があった。杉の木伐採の手伝いをした農家の友人だ。

「あのな、昨日の朝、うちの周辺に不審者が出たとかで、お前が帰ってから警察が聞き込みに来て大変
だったんだ」
「ふーん、そんなことがあったんだ。どの辺?」
「裏の田んぼ。小学生が集団登校の時に、変なおじさんに後をつけられたらしい。中年の男で、特徴は大きなカメラを持っていたということだ」
「もしかして…それって」
友人は笑いながら「ちゃんと説明しとたから、小学校じゃ大騒ぎだったらしいぞ」

釈明するなら、確かに田んぼに行ったときに登校する子供たちを写真に撮った。でも3枚だけ控えめに撮ったはず。後をつけられた、というのは、たまたま小学校の方向と友人のの家の方向が一緒で、ほんの数メートルのあいだ、彼らの後を歩いていただけ。

でも、そんなことは小学生にはわからない。不審者がいたら先生に報告しなさい、と常々言われているのだろう。学校もほっておいて事件になると大変だから警察に連絡したのだろう。わかっちゃいるが…

もう日本でストリートスナップは成立しなくなってきた。米沢でさえそうなのだ。十分気をつけていたつもりでも問題は起こりうる。

ストリートを専門に撮るものは警察のごやっかいになるものが多い。森山大道も新宿で女子高生に警察に突き出されたそうだ。

ロバート・キャパが戦後日本に来た時に「日本はフォトグラファーズパラダイスだ」と言ったらしい。

その頃の日本人は撮られることに対する免疫がまだなかったため、どこでもだれでも撮ることができたためだ。

権利意識の強いアメリカから来たキャパにとって日本は撮影しがいのある場所だったのだろう。あれから50年…

カメラマンのエゴかもしれないが、自由に写真が撮れなくなるのはつらいことだ。