吉野家の牛鉄鍋。

事務所には写真家のオリジナルプリントが飾ってある。NYをモチーフとしたウィリアム・クライン森山大道田中長徳、中藤毅彦の作品と、北京を撮った北井一夫のものだ。

その中に小林紀晴の写真が加わることになった。やはりNYのもので、エンパイヤから撮られたNY全景だ。以前ディズフォトギャラリーの事務所スペースに大全紙サイズで飾られていて、とても魅かれていた。

彼の著書は以前からずっと読んでいた。文章と写真の間を行ったり来たりできる稀有な存在だと思っている。アジアのものも好きだが、故郷諏訪を撮った「盆地」が一番かもしれない。

昨年のワークショップで小林氏を直接知ることができ、プリントの購入を決めた。なんのシリーズにするか悩んだが結局NYにした。ギャラリーでのイメージが強かったせいだ。

本人自ら2Bに写真を持ってきてくれた。実は自宅が以外と御近所なのだ。暗室を案内する。ちょっと自慢である。1時間ほど色んな話を聞く。写真を撮られた時の話を聞けるのは、本人から購入する最大のメリットだ。

僕の写真もこの一ヶ月で4枚売れた。中には自分への就職祝いというものもあった。

自分の写真が誰かの人生の節目になるのは嬉しい。