熱があると味がしないことがわかった。

日曜日、月曜日、火曜日と3日間寝込んだおかげで水曜日ようやく体調が戻った。インフルエンザにかかったのは何年ぶりだろう。3日間合計で50時間くらい寝ていた感じだ。

なぜ風邪をひいたかははっきりしている。今週の仕事がキャンセルになったからだ。体調が戻ったきっかけは仕事の電話だ。撮影のアイディア出しを30分やり取りして電話を切ったら体調がスッキリしていた。しょうがない体質だ。

本当は米沢に帰るつもりだったのにできなかったのは残念だ。雪の多いうちに一度撮っておきたい。

ちょっと体調がよくなった頃にビデオを借りてきてもらった。昨年度「文春ラズベリー賞」(ワースト映画のランキング)に堂々入賞の「キャシャーン」だ。

酷評が多いにもかかわらず全世界26カ国上映が決まり、ハリウッドからオファーが来ているとも言う。監督の紀里谷氏は写真家時代から注目していたし、映画好きのひとりが「いい映画だった」と賞賛していたのでずっと気になっていたのだ。

テーマは戦争でいささか説教くさい。画面のトーンが重くモニターではシャドーの情報がでてこない。宮崎アニメの影響が強い。

でも全体的にちゃんと映画だった。映像は誰もが認めるように美しい。特にパースの使い方がうまいのだ。一本目の作品でこれだけまとめ上げる力は凄いんじゃないだろうか。手塚真の「白雉」を思い出した。

ところどころに名作映画のオマージュというべきシーンがさし込まれている。もともと映画が大好きな人なのだと思わせた。