製造中止になって久しい印画紙コダック「エクタルア」が暗室の棚の奥からひょっこり出てきた。大四つ切りで50枚。それを使って「午後の最後の日射」のプリントをする。
このシリーズはオリジナルが1セットあるだけで、アザープリントは存在しない。「エクタルア」が製造中止になったため他の印画紙では焼きたくなかった。
印画紙には使用期限がある。もうギリギリというところだろう。4年ぶりに「エクタルア」で焼いてみた。この印画紙は表面が縮緬状の風合いがあり、銀の量がたっぷりあってプリントしがいがある。ただしコントラストは3号相当一種類のみ。ネガの状態が悪いとプリントコントロールは極めて難しい。
まる一日かけて、25枚の印画紙を使って3カットプリントしたのだが、翌日乾燥した時点で確認すると、なんとか容認できるのは1カット2枚だけ。さすがにため息が出た。
それはそうだ、写真集用に焼いたプリントはそれこそ何十枚と焼いた中の1枚なのだ。もうい一度それを再現しようと思っても簡単にはいかないはずだ。
それにネガの調子が悪いのだ。まだ露出がしっかり把握できていなかった頃なのでオーバー目のネガが多い。でも不思議なもので、うまく焼けるとそれが力強さになったりする。
残り後25枚。なんとか印画紙の感じはつかめてきた。残りどのくらいOKプリントを残すことができるだろう。