すき焼き。

祇園の教訓」や「芸妓峰子の花いくさ」の著書がある 岩崎峰子さんを撮影に京都に行く。

幸い台風の影響がなく京都は晴れていた。祇園一の売れっ子舞妓だった彼女の半生はドラマチックだ。ところが実際の彼女は妖艶な感じはまったくせず、サッパリ、ハッキリした人だった。日本画家の旦那さんがずっと一緒についてきてくれていた。

いつもはせわしない撮影が多いのだが、京都に来ていることもあってゆったりとした撮影になった。伏見大社で特別な許可をもらい(旦那さんの顔である)岩崎さんを数カット撮影し、祇園の近くで昼食をゆっくり時間をかけて食べ、御自宅へ伺った。

この自宅が玄関に土間があり、奥には坪庭があるような旧い京都の民家で、どんな豪華な家もかなわない風情があった。

一人前の舞妓になった時に3日間だけつける「花かんざし」を自然光で撮らせてもらい、家の中の彼女を撮った。今回はペンタックス645Nを中心に機材を考え、モノクロとカラーを使い分ける。

夕食を誘っていただいたのだが、台風の影響がでないうちに東京へ戻ることにした。京都はこれからがいいシーズンだ。ちょっと寒くなった頃がいい。今年は紅葉もきれいだろう。