里芋と山芋の煮物。韮饅頭。

成人の日の12日はローライワイドFWを持って散歩に出かけた。

江古田の町を歩いた後、バスに乗って中野へ。成人式帰りの若いもんがたくさんいたが、男はチンピラみたいだし、女は安場のホステスのように見えてしょうがない。騒いでいる集団を見るとちょっと怖い。

ワイドローライといえば 定価59万8千円、金属フードが別売で4万3千円もする超高級機である。65万円といえば40型のプラズマテレビや軽自動車が新車で買える値段だ。それなりのものでなければ納得がいかない。

なのにファインダーのスクリーンはお世辞にも見やすいとはいいがたい。ローライを使っている人、数人に見てもらったら全員が全員このスクリーンは見づらいと指摘した。中央がスプリットイメージになっているのだが、これが見づらさの一因になっている。

それと視度補正のレンズが欧米人ようにプラスにふってあり、近視ぎみの日本人には合わないのもある。

巻き上げはゴリゴリと硬い。現行のFXはそんなことはないので貸出機の固体差かもしれない。が、これが買ったものだったら60万円も出してゴリゴリでは悲しくなる。

しかしそれを補ってあまりある魅力はあった。ワードローライでしか表現できない世界は確実にあるのだ。

縦長のフォルムは手になじむし、広角50ミリを装着している割には驚くほど軽い。シャッター音は小さく、町に溶け込む。

もしこれを買うなら、スクリーンを全面マットに変え、視度補正レンズは−2をつける。これで多少は見やすくなるはずだ。

誰もが必要とするカメラではないが、これでなければならない場面もある。

後は60万円をどこで工面するかになるわけだ。