妻の友人が鯖と明太子を送ってきてくれる。

甲府のワイン農園で野外料理の撮影。あっちは寒いかと思ったら25℃以上の気温。Tシャツ1枚でいいような天気だった。首筋が日焼けで真っ赤になってしまった。

ここの農園は、ぶどう畑の手伝いをして、昼は皆で外ごはんを食べるボランティアをつのっている。今日はぶどうの苗を植える日で、参加している人は土いじりを楽しんでいた。同行の編集長も見よう見まねでお手伝。

まだ20歳代のオーナーは、見るからに気持ちのよさそうな人で、彼の人柄にボランティアが集まってきているようだった。撮影は、ぶどう畑のまん中にしつらえた天蓋つきの高床式テラスのテーブルに、骨付き豚のダッジオーブン料理、牛肉のカバブ、サラダ、地元で焼かれた無農薬パン、それとここのぶどうで作られたワインを並べる。ライティングもレフ版もなしの太陽のみの照明。料理の向こうには雪をいただいた日本アルプスが見える。ここはやっぱりシノゴでしょう。

撮影終了後は、ボランティア20人とワインを飲みながらの食事。天気はいいし、肉とワインはうまいし、言うことなし。とくにおいしかったのは、地鳥の胸肉の表面をさっと焼いて、中は生のままで食べる鶏肉の刺し身。わさび醤油で食べると、とんでもなくうまい。醤油の国に生まれた幸せを感じるのだ。

現場から7キロのところに「清里写真ミュージアムK-MOPA」があった。僕がフリーになりたての頃アシスタントをしてくれていたNが、同館の学芸員をしているので久しぶりに会いに行った。展示は「ヤングポートフォリオ展」、海外からの参加が多くてちょっと驚く。

ヤングポートフォリオというのはK-MOPAが主催しているコンテストで、入賞すると作品一点につき三万円で同館が購入し永久収蔵してくれる。自分の作品が美術館に収蔵されるというのは作家として大変名誉なことだ。僕も参加したいのだが、年齢制限があって35歳までしかダメ。残念だ。

Nと写真界の噂話を楽しんで別れる。お土産に彼の写真で作られた「NTTソフト」のカレンダーをもらう。Nは現代写真作家でもある。エイトバイテンのネガカラーで東京の一点消失の風景を撮っている。帰りの中央高速は絵に描いたような渋滞。小仏トンネルを先頭に渋滞22キロ。抜けるのに2時間近くかかる。途中のPAのトイレは長蛇の列。切羽詰った人はどうするんだろう。アシTと交代しながら4時間以上かけて帰る。今日は行楽にいったようなもんだ。