原美術館のレストランでランチ。パスタアラビアータ。

午前中、恵比寿のアメリカンバーで、アメリカ人イラストレーターを撮影。彼は「ウォリーを探せ」のウォリーにそっくりだった。分かったような分からないような英語で撮影を進める。「身体をもっと前に傾けて」というのが分からなかったので編集者に助けてもらう。傾けるは「lean your body forward」だった。覚えておこう。後は「good」だの「Look at the Lens」だのと言っていればよろしい。

テンポよく撮影が終わってポラ確認OK。「サンキュー」とかいいながらハッセルのマガジンからフィルムを取り出したら1本逆巻きで出てきた。アシTがミスしやがった。そのロールがなくても支障がないと判断して再撮はしなかった。裏巻きになってブワブワになったフィルムは戒めとしてTのお土産にする。

場所を原美術館に移して女優「鶴田真由」の撮影。結構ファン。やっぱりきれいだね。ガラスの窓越しに撮る。目線はもらわず、ちょっと盗み見気分。視線がこちらを向くとドキッとする。いい女優は目の力が強い。撮影の間だけ光が差し込む。終了と同時に日は厚い雲に隠れた。天気を味方にできるのもいい女優の条件。

広末涼子」が絶頂の頃。スタジオでの撮影の他に、バリエーションとして屋上でも撮ることにした。天気が良すぎて顔に強い影が出そうなので、それをどう処理しようかと考えていたら、薄い雲が突然太陽にかかりちょうどいい日の光になった。チャンスとばかりシャッターを切り出したら、こんどはサーッと風が吹いて彼女の髪を揺らした。あまりに出来すぎ。旬の女優は天気までも味方にしてしまうかと驚いた。

美術館のショップで本を一冊購入、「ハスラー・アキラの日記」。表紙の写真に魅かれて中身をめくったら「売春夫アキラ」の話だった。フィクションかと思ったらそうではないようだ。本人と思われる写真もたくさん載っている。ペラペラとめくっているうちに気になってしょうがなくなってしまった。奥付には「ワタリウム美術館」企画とある。この頃買った中で一番不思議な本だ。