深夜帰宅。夜食に天丼をつくってもらう。

午前中雑用を済ませ、お昼から昨日の撮影分のプリント。1時間半くらいで終わるかと思っていたら、なかなかうまく焼けず、たった3枚のプリントに5時間かかる。

途中、元アシWが露出計を借りに暗室に顔を出した。あいつはここからシノゴのセット一式とローライの2眼レフを2台持ち出している。今度はメーターだ。油断しているとハッセルのセットまで持っていかれそうだ。

Wは出版社の仕事にも少しは慣れ、写真を撮るのが楽しそう。いいことだ。

アシスタントなりそこねNが夕方来る。現アシTと3人でプアハウスでご飯。カレーと粗食とスパゲッティ。Nは、この間授けた「渡部式露出メソッド」を使って撮影したら、きれいなプリントが出来たと驚いていた。「美しいプリントは露出から」というのが理解できたようだ。

夜、格闘家魔裟斗の撮影。174センチ70キロ、意外と小さい。が、目は鋭い。ついついアップ気味で撮ってしまう。

撮影後デザイナーO氏のところへ今日焼いたプリントの納品。ついでに今やっている「東京」の写真集を作る相談。ざっと制作費の見積もりをしてもらうと1千万円かかるという。僕の考えていた500万円じゃ出来ないだろうということだった。どこの出版社が出してくれそうか情報をもらう。テーマがテーマだけに外国の出版社はどうかという話になる。NYで出してくれないかなあ。

以前、「サイトに文章を書くのは暗闇に向かってボールを投げているようなものだ」と書いた。写真集もそうだが、今やっていることに僕自身不安を感じることも多い。そんな中、今日うれしいメールをもらった。メールにはカリフォルニアで写真を学んでいるが、なれない言葉と人間関係に疲れていたとあった。

「このところたくさんのストレスと不安から精神的にとても不安定になっており人との接触がこわくなってちょっと人間不信っぽくなっていて、外の世界にも扉を閉ざし気味でした。でも渡部さんの写真を見た時に一瞬にして心の中がポワーンと温かくなって安心し涙がでてきました。
なぜそこで涙がでたのかは自分でもわかりませんが、、、。」

写真を見てもらうことで自分が誰かの役に立つことができた。そうわかっただけで、また写真を撮っていける。メールありがとうございました。