ケイマン諸島はカリブ海にあるみたい

朝=松屋の豚汁冷奴定食/夜=新宿の居酒屋

『da.gasita』ですが2月5日夕方から注文いただいた分の発送分が少々遅れています。今しばらくお待ちください。頑張って発送しております。

土曜日は「da.da in monochrome」のトークイベントだった。写真展も大盛況で、終日多くの方々に来てもらえてとても嬉し。その日限定で『da.gasita』を販売したのだが、持っていった分は昼過ぎに完売してしまった。購入できなかった方、申し訳ありませんでした。

自分の展示を見ていて思ったのだが、撮っているものが、僕自身の高校生の頃と何も変わっていない。17歳の頃の僕は同級生を撮り、米沢の風景を撮っていた。それと「da.da」は全く同じだと気がついた。呆れるくらい変わっていない。変わったとしたらカメラがフィルムのオリンパスからデジタルのハッセルブラッドになったくらい。

会場にいたら、写真作品を作っているというフランス人がやってきた。いろいろ話をしてわかったのは、写真好きの思考は変わらないということ。同じことで悩み、同じことで喜びを感じていた。拙い言葉でも写真のことは分かり合える面白さ。彼とは「11月にパリフォトで会いましょう」と言って別れた。

そういえば来場者の中に「素晴らしい写真だ」と言ってくれた外国人がいて、話をしていたら、彼はケイマン諸島に住んでいることがわかった。あのタックスヘブンのケイマンだ。写真は好きだけどプロじゃないというから「何をやっているの?」と聞いてみたら「リタイア」だって。是非ケイマンに来てくれってアドレスをもらった。島好きとしてはすごく気になる。行ってみたいなぁ、どんな島なんだろう。

<2022年2月6日の日記から>

昼に妻の買い物に付き合って阿佐ヶ谷商店街をぶらぶら。手にはハッセルブラッドに最新のデジタルバックをつけたもの。10年くらい前にPhase One P20を使っていたけど、ケーブル接点のミスファイヤが多いし、モニターでのピント確認が難しくて使うを断念してしまった。以来フィルムハッセルにデジタルバックの組み合わせに興味はなかったが、久しぶりに使ったら楽しいの何の。舞中でハッセルのバシャンバシャンというシャッター音を立てていたら妻に怒られた。家に戻ってパソコンで開くと、出てくる絵がフィルムをスキャンした感じなのだ。つくづくレンズなんだなあと思ってしまう。最新のレンズではこうはいかないし、レタッチでは作れない。やばいものを触ってしまったなあ。X1D2にしたのをちょっと後悔してしまうくらい面白いのだ。過去日記を見てると、人間て成長しないもんだとよくわかる。ずっと同じことで喜んでる。単純というか、幸せというか。これはもはや才能?

<2007年 2月6日の日記から>

土曜日は鬼海さんを2Bに招いてのビューイングの会だった。事務所を広くした時にギャラリーにできないか悩んだ。広さは確保できるのだが人手が足りない。専任スタッフを雇うゆとりはない。調べていくとギャラリーを始めるとそこに時間を大きくとられるのが分かってきた。そこでアメリカでは一般的なギャラリーの形態である、ビューイングシステムを取り入れることにしてみた。ビューイングとは、あらかじめアポイントメントを取ってギャラリーの写真を見せてもらうやりかた。通常はクローズしているが、予約が入った時のみ部屋を開けギャラリー所蔵の写真を見せる。マンションギャラリーと呼ばれ、始めはそこからスタートする画商も多いという。そこで2Bでもそれをやってみることにした。手持ちの作品では少ないので、作家に直接作品を持ってきてもらうのだ。写真家と知り合うたびにビューイングのお願いをしている。今回の鬼海さんで3回目になる。参加費を払って写真を見て、お金を受け取って見せる。「見せていただく」でも「見せてやる」でもない。お金を介在させることで対等な関係を作る。普段写真展では聞けないことも遠慮なく聞けるし、またそれに作家は答えなくてはならない。鬼海さんに持ってきたもらった「INDIA」シリーズに隠された意味や思い、細かなテクニックもすべてあかされた。今回のビューイングでは写真集「INDIA」制作に用いられたオリジナルプリントを購入することができることになった。世界にたった1枚の写真集用原稿だ。僕を含めた参加者が目を皿のようにして写真を選ぶ。買うという行為で写真を見るのは真剣勝負だ。全部で14枚の写真が販売された。僕は岸壁から飛び込む少年の写真を選んだ。なぜか飛んでいる写真に惹かれれしまうのだ。ビューイングが終わったあと鬼海さんと参加者で飲みに行くことができた。普段接することの少ない「生の写真家」の話は面白いに決っている。今回も刺激的なビューイングとなった。

『da.gasita』販売開始

朝=おにぎり、ゆで卵、味噌汁/夜=手羽先とかぼちゃのバルサミコ炒め、ヨーグルトチーズの玄米パスタ

ようやく『da.gasita』の販売を開始。こちらのサイトからお買い求めできます。よろしくお願いします。https://2bh.base.shop/

2BChannelライブで告知したり、ジブリにTwitterで取り上げていただいたこともあって、一晩で100冊の注文があった。ありがとうございます。実は僕には「初動3倍説」というのがあって、まあ経験則にすぎないのだが、これで言えば今後1ヶ月で300冊の注文があるはず(笑)。これは、今までの「2BChannel」の視聴回数を見ていると、1本の動画をアップした場合、1ヶ月後の再生回数が、例外なく一晩で回った視聴回数の3倍になるのだ。他にも講座を募集した場合、最終的な応募人数は、告知後24時間の3倍になることがほとんど。今回写真集の販売でも、それに当てはまれば「初動3倍説」をますます信じたくなる。

とはいえ、100冊注文があったということは100冊発送しなくてはならない。おまけでトートバックもつけるので、それもプリントする必要がある。とりあえず30冊をふたつの旅行鞄に入れて郵便局まで運んで行った。かなり大変。でも引き取りに来てもらうと1冊につき120円プラス。車がないので仕方なし。申し込んでいただいた皆様、もうしばらくお待ちください。

<2022年2月2日の日記から>

松本の動画を再アップ。「これでどうだ」と思っていたが、担当者から修正の要請がはいる。zoomで動画編修の画面を共有しながらやりとるするうちに「もしかしてオープニングいらないんじゃない?」ということになる。丸二日かかったオープニングをばっさり落としてしまうことに。インタビューも削れるだけ削って、当初13分だった尺は7分になった。7分まで絞ったのはYoutube をやっていて思うのだが、視聴者があきるのは常に8分なのだ。あきらかに“8分の壁“がある。その後も修正してはアップ、修正してはアップで、7回目でようやくOKが出た。締め切りぎりぎりだ。2月9日正午に公開予定。その日のライブで紹介します。もう一冊関わっている写真集も3日に届くので一緒に紹介する予定。午後からある企画の打ち合わせに参加。僕は人と人とをくっつけただけなのだが、その場にいることができた。30歳と40歳と50歳の3人の才気あふれる人たちの会話を聞いていると、60歳の僕のためにトークショーをやってもらっているようだった。この企画が実現するといいなあ。家に帰って昼間に届いていたゼンハイザーMKE400Ⅱという新発売のマイク開封。ソニーの純正マイクが品薄で高値になっているのでこっちにした。2メートルくらいの距離でも良い音が録れるそうなのでインタビュー用。

<2003年2月2日の日記から>

現像所の配達で目が覚める。まだ開ききっていない目をこらして上がりのチェック。ネガフィルム分をプリントしたくなる欲求にかられたが、今日はお休みの日とする。あっという間の一週間。あっという間の一ヶ月。年々時間の流れが早くなっている気がする。お昼に卓球用のラケットラバーとシューズを買いに行く。ラバーは表裏2枚で6千円弱。シューズと合せて1万1千480円。午後から卓球。道具を新しくしたのにプレーは相変わらず。1時から4時半まで休みなしで体を動かす。ヘトヘト。夜、家族で外食。妻と娘の強い要望により「ロイヤルホスト」。ハンバーグステーキセットを2種類、ビーフドリア、タコス、ビール、ジンジャエール、オレンジシャーベットを注文。しめて5649円。おいしかったかと聞かれれば返答に困る。学生時代、今はなき「すえひろ5」のハンバーグステーキは、月に一度のごちそうだった。仕送りがあって懐に余裕がある月末だけのお楽しみ。あの時は本当においしいと感じていたのにな。「マクドナルドのビッグマック」もそうだ。東京に出てきて始めて食べたビッグマックは、都会の味がしたもんだ。当時1個360円くらいだったかな。もちろんセット料金じゃない。単品での値段。国鉄(まだJRと呼ばれる前だ)の山手線初乗り料金が80円の頃の話だ。でも、たとえ360円払ってでもビッグマックを食べたかった。2段重ねのハンバーガーにかぶりつく時の幸福感といったら。ファミレスとマックに行かなくなって10年がたつ。

1月ももう終わりか

朝=キノコと豚肉と大根おろしの雑炊/夜=生姜焼き、ジャガイモと肉団子と人参の煮物、豆腐ととろろ芋の味噌汁

昨夜は、一週間ほど早いけど、妻の誕生日祝いということで娘も誘って御苑のイタリアンへ。結婚して33年かな。あっという間。彼女は編集者なので、僕が原稿を書くときはいつもみてもらっている。今度出る新刊も、僕が勢いで書いて、それを整理してもらっている。今はその原稿が初稿直しの段階なので、妻にゲラを読み上げてもらって、言い回しが変なところに赤入れをしている(妻が)。これがかなり根気のいる作業。4時間もやっているとふたりしてぐったり。それにしても、人に読み上げてもらうと、なんだか自分で書いたもののような気がしない。「この人面白いこと書くなあ」って思っている(笑)。明日は新宿北村写真機店へ写真展の搬入。どんな展示になるんだろう。

<2022年1月30日の日記から>

昨日、丸一日かけて編集した動画を担当者に見せたら「オープニングいらないと思います」とバッサリ。確かにYoutubeって出だしの1分くらいで視聴するかどうか決められるので、悠長なことは言ってられない。それはYoutuberとしては身に染みるほどわかっていて、だから2B Channnelはオープニングも挨拶もなしでいきなり本題に入るようにしている。なのに今回はちょっとまとまりを作ろうとしてしまった。昼過ぎから夕方までメッセンジャーでずっとやりとりを重ね、作っては見せ作っては見せを繰り返してようやくお互いが納得できるところまでこぎつけた。最後は秒単位の編集の話になっていた。だから「後悔はない。でも反省点は山ほどある」物が出来上がった。 

<2007年1月30日の日記から>

金曜日、仕事の合間をみて米沢に帰る。今年でもう3回目だ。写真を撮りに帰っているのではなく、母親の体調のせいだ。正月に久々に皆で温泉に行ったのだが、母親の様子がどうもおかしい。半年前に比べ足どりは重く、歩幅が狭くなっている。記憶障害も出始めていて、話すことはしっかりしているが短期記憶に曖昧なところが出ている。認知症ではないかと心配になった。翌週、念のため病院で検査してもらうことにした。脳外科でMRIをとってみたところ、脊髄からもれた水が脳漿にたまっていることがわかった。それが原因で歩行困難や記憶障害が出ている疑いが強いという診断がでた。翌週脊髄から水を抜いてみると歩行がしっかりしているようにも見える。ただ脊髄から脳漿にもれた水は数日で元に戻ってしまうため、はっきりしたことは分からない。根本的に直すには手術が必要になるということだった。そして、手術をしてもよくなる保障はないとも言われる。このままでも生命への危険度はないということも告げられた。妹とふたり悩んでしまう。このままでいいということはないし、かといって手術も大変だし。2週間後の再検査まで結論を出さなくてはならない。米沢から戻った足で写真展のパーティへ。ワークショップの参加者が3人で六本木の画廊で行ったものだ。1月でクローズしてしまうところを安く借りれたらしい。三者三様の東京のスナップで、デジタルカメラ、ライカとハッセル、エイとバイテンと機材も三様だ。機材が変わればものの見方も変わってくる。写真家の田中長徳さんも来ていた、大判カメラ愛好組合のドンである。エイバイテンの写真の前で自身のNYのシリーズとの比較をしていた。
土曜と日曜はワークショップ。2月13日から始まる渋谷ルデコでのグループ展の最終打ち合わせ。今回は2階3階5階6階の4フロアーを使う。月曜日は撮影の後、冬青社へ写真集の打ち合わせ。印刷見積りがでて、最終的な版形と価格を決めていかなくてはならない。そして、刷り部数と印刷代から定価を決めていく。決して多くない部数のため原価が単価に大きく響いてくる。相談の結果B5サイズ250ページ定価税込み5000円という線がでてくる。まだ決定までは時間がかかるがなんとなく目処がたった。
7月の冬青での写真展にあわせて出版する。内容はひとことで言えば雑多。サイトのフォトギャラリーの写真がランダムに編集されたものが作りたい。僕の販売ノルマは500冊。なんとかこれを発売時に達成しないと。

iPadmini が使えない

朝=玄米トマトリゾット/夜=チキン丼、コロッケ、温野菜サラダ

寒い! 寒いなんてもんじゃない。家の中が冷蔵庫状態で、妻が朝起きて台所に行くと室温が2度だったそうだ。僕はその報告を布団に丸まって聞いていた。

iPad mini6がアップデート中にフリーズして、動かなくなった。僕はiPhoneが見えづらいのでiPadminiを肌身離さず使っているので、困ったことになった。Apple careに入っているので保証は大丈夫だが、数週間使えないことになる。あとは12.9インチのiPadProがあるけど、大きくて持ち運ぶ気になれない。困ったなあ。月曜日に新宿の北村写真機店へ写真展の搬入に行くので、地下の修理センターに出すことにして予約を入れた。頼むから早くなおってくれ。

『撮る力見る力』の表紙案が出た。数パターンあって悩む。書体によって漢字の「力」が、カタカナの「カ」に見える。「撮るか見るか」になってしまうのだが、それもいいなと思えてくる。「チカラ」っていうほどすごい内容じゃないから(笑)。表紙は僕の写真になっている。大野雅人さんに、昨年一緒に行った浅間で撮ってもらったポートレート。気に入っていて、タイトルにもぴったりなので使わせてもらうことにした。本屋さんで目立つはず。2月28日発売予定です。

<2022年1月28日の日記から>

ワークショップに参加してくれていた女性が熊本で無農薬野菜を作っている。大企業に勤めていたのに、夫と一緒になんのツテもない熊本で農業を始めてしまった。そこで作った無農薬ニンジンを一昨年から購入している。不揃いのB品だが、味は最高。生で味噌をつけて食べるのが一番美味しい。ただし箱いっぱいにニンジンが届くので、仕入れるといつも阿佐ヶ谷の友人たちにおすそ分け。りんごと人参は免疫力を上げるというので、毎日食べている。午前中にNHKオンデマンドで「謎の日本人サトシ~世界が熱狂した人探しゲーム~」を見た。2007年くらいに海外でブームになった謎解きゲームの中に「サトシという名前の人間を探せ」というミッションがあって、手がかりは1枚の自撮り写真だけ。今なら一瞬で見つかるが、15年前はまだSNSが普及していない時代。サトシを探すのに10年を費やした海外の女性の話なのだが、上質のミステリーを見ているような面白さがある。お昼からはずっと動画編集。松本地域の17歳のインタビューを10分くらいの動画にまとめる。7人がバラバラの場所で収録しているので、音も、露出もそれぞれ補正が必要になる。6時間でギブアップ。あとはタイトル周りをつければなんとか形になりそうだ。

<2014年1月28日の日記から>

ずっと借りっぱなしだったコンタックスNマウント24-85ミリのEOSマウント改造品を返すことになった。本当にいいレンズだった。カナダのおじさんが個人でマウント改造を商売にしているそうで、電子絞りはもちろんAFもちゃんと作動する。しかも速い。色のりの濃い好みの味付けだった。もう一度使いたいがレンズ自体は手に入っても改造に1年近く待たねばならない。レンズを返してしまったらEOSを使い続ける気が失せてしまった。買ってから1年、今なら高く売れる。箱もとってあったから買い取りに出してしまおうと考えた。ソニーから24-70F4という魅力的なズームレンズが出た。売ったお金でα7をもう一台とそのレンズを買うのはどうだろうと思ったのだ。近頃はα7が好きすぎて仕事もα7だけ使ってキヤノンはバックの中に入れっぱなしなことがほとんどだ。中野フジヤカメラの買い取り見積もりは183000円だった。純正ストラップがないからこんなもんんだろう。下取りに出して新しく買うと10%下取りが上がる。すると差額ちょっとでαセットを買うことができるではないか。査定が出てα7を見せてもらおうと思ったら、お店のカウンターで大学時代の先輩にばったり出くわした。頭を冷やすのにちょうどよかったので2階のお店でお茶を飲むことにした。先輩は僕が学生時代からずっと世話になっているカメラマンだ。写真家じゃなくて映像も撮る職業カメラマン。大学入学当初オリンパスを使っていた僕がキヤノンを使うきっかけになった人でもある。ふたりとも30年以上キヤノン一筋で仕事をしてきた。映像を撮る先輩はソニーの良さをよく知っている。α7にも興味はあると言っていたが、今日買ったのはEOS-Mのダブルズームキットだった。「渡部、やっぱりキヤノンだよ。お前もずっと使ってきたんだろ」。そういわれてみると僕の人生の大半をキヤノンで生きてきたことになる。AE-1、A-1、F-1、NewF-1、T-90、EOS-1、EOS1n、D60、20D、5D、5DMark2、5DMark3、、、先輩と会ったのも何かの縁だ。別れた後、α計画はやめにしてEOS用のズームレンズを買うことにした。評判のいい24-70F4IS。これでちょとすっきりした。まだまだキヤノンには頑張って働いてもらわないと。

新刊のタイトルは『撮る力見る力』

朝=お雑煮/夜=野菜カツオ丼、キャベツとアボガドとトマトのサラダ

火曜日の夜は雑誌『写真』3号発刊のパーティで、目黒のふげん社へ。臼と杵で餅つきをやるというので行ってきた。なんせ、世の中で好きなもののかなり上位がお餅。つきたてのお餅は最高でした。家にも電動の餅つききが欲しいといつも思っているが、妻に却下されている。パーティには旧知の人も多く来ていて、新型Macbook Proの話になった時に「渡部さとるさん、大学で教えているならAppleの教職員割引使えますよ」と教えてもらった。盲点だった。そういえば聞いたことある。3年前から非常勤でやっているし、今年からは別の大学にも行くから適用されるじゃないか。家に帰って、すでに入れていた注文をキャンセルし、再度注文し直した。5万円くらい安くなった。円安分がカバーできた感じだ。

2月末に出版予定の書籍カバーデザインが上がってきた。タイトルは『撮る力 見る力」。僕が今まで書いてきた『旅するカメラ』『じゃない写真』と「2BChannel」が合わさったような内容になっている。「全身写真好き」が書いた本だ。

<2022年1月26日の日記から>

松本地域の17歳を撮影したインタビュー動画の編集をどうやったらいいか悩んでしまった。写真と違って動画編集の引き出しがほとんどない。そこで動画のプロの北桂樹さんにアドバイスをもらうことにした。北さんと言えば 「2B Channnel」での「拡張する写真」が1時間動画にも関わらず、 2万回以上も再生されている。「エモい写真」と並んで、この回は 「2B Channnel」での柱的な存在になっている。北さんはこんな時期だけど、わざわざ家まで来てくれて僕が仮編集した動画を見ながら、編集のヒントをたくさんしてくれた。おかげで全体像がはっきりした。後は地道な作業を繰り返すだけ。せっかく来ていただいたので、収録させてもらうことにした。今回はいま大学で博士課程を専攻している北さんに「写真の物質性」について教えてもらった。この「写真の物質性」という言葉は、ここ数年のパワーワード的なもので、現象は知っているけど、なぜ物質化が起きているかはわからないでいた。それを今回「スネ夫の髪型問題」を引き合いに、ものすごくわかりやすく教えてもらった。その中で大事だったのが、これまでの写真は三次元を二次元にするものだったけど、現在のテクノロジーを使えば、二次元を三次元にすることもできる。それが「写真の物質性」ということに深く結び付いていた。これは面白い。そして同時に現代写真のツボだと思う。これを知っていたら現代写真の見え方が変わる。90分も話を聞いたけど、どこも重要に思えてカットするところが見つからない。 2本立てでもいいかな。近日公開、お楽しみに。

<2005年1月26日の日記から>

ロシア出身の指揮者でありピアニストでもあるウラディーミル・アシュケナージ氏の撮影。何度聞いても名前が覚えられない。現在NHK交響楽団の音楽監督を務めている。例によってホテルのスィートでの撮影なのだが、今回は部屋内に撮影に向いている場所がない。ベッドルームは使えないし、リビングは狭いしで場所探しに難儀した。結局白壁を使うことにする。「狭いねえ」と編集者に言ったら「7万5千円もしたんですよ」と言われてしまった。海外で7万5千円も出せばお屋敷が借りられそうだ。場所選びに苦労したがアシュケナージ氏の顔の彫が深く、フォトジェニックだったので撮っていて手ごたえがあった。翌日プリントしてみると白壁バックは正解だった。数枚のプリントでOKが出せた。少ない枚数で終わるときほど撮影がうまくいった証だ。シチリアに住んでいる元アシスタントYがやってきた。明後日またイタリアへ帰るという。向こうで知り合いができ、カメラマンをやっている。サッカーを撮る仕事のためにEOS1-Dの中古を買っていくと言う。日本からの雑誌連載が決まったし、もう1年住めるようだ。3月のシチリアはいい季節だと言うから行く約束をする。夜、林家こぶ平の舞台撮影で国立劇場小劇場へ。落語協会の人に挨拶をしたら「旅するカメラ」を読んでます」と言われて驚いた。仕事先で言われたのは始めてだ。仕事なのに落語をたっぷり楽しんでしまった。気がつくと2時間半があっという間に過ぎていた。アシTは始めての落語だったようだが面白がっていた。そういえば落語家の友人がいたのを思い出した。このところずっと会ってないけど元気かな。

原稿探し

朝=カレーうどん/夜=春菊の胡麻あえ、親子丼、豆腐味噌汁

日曜日は撮影の予定だったけど、スタッフがコロナで中止に。インフルもあるし、まだまだ大変。

週末の講座配信が終わると月曜日はお休み気分になるのだが、なんだか落ち着かない。書籍の原稿の直しを入れたいと思って、編集部に送ったファイルを探すが、肝心の修正したい項目だけ見つからない。よくよく確認したら、なんと! その項目だけを送り忘れていた。そしてPC内のどこを探しても書いたはずの原稿がない。さらに運悪く昨日PCのゴミ箱を整理してしまったのだ。あーやってしまった。あのテンションでもう一度4000字書くのは無理っぽい。どうしようとうろたえていたら、妻が「メモ帳には残ってない?」。

そうだ、Wordで書いた原稿は、その都度メモ帳に貼り付けて音声でチェックしていた。で、メモ帳を検索してみたら、見事ヒット。妻のファインプレーだ。これはどうしても入れたい内容だったのだ。無事に編集部へ送ったものの、ちょっと前に、すでにレイアウトはほぼほぼ進行済みだと連絡が来ていた。とにかく編集者に謝るしかないか。

<2022年1月23日の日記から>

東京の感染者数1万人突破。嬉しくない。さすがに外に出る気がしないので、妻のカレー作りの手伝い。スパイスと玉ねぎを炒める係。目が痛い。カレーは我が家の必須アイテムで、お客さんが来る時にもよく出している。何もやることないならYoutube動画でも作ればいいのだが、α7Ⅳをいじっているうちに時間が過ぎる。動画もそうだけど、写真の写りがいい。今までのソニー機とは明らかに違う。スタンダードでちゃんと色が出るし、ナチュラル。キヤノンほどではないが、撮って出しに耐えられる。昨年α9Ⅱと7RⅢを借りて撮影した時は、色とコントラストが好みではなく、後処理にちょっとうんざりしていた。元の画像が好みじゃないと、いくら直してもピンとこない。それが今回は「お、いいじゃない」という感じがしている。当然ハッセルブラッドが一番なのだが、実はリコーGR3Xの出す色がかなりいい。GR3と同じ画像エンジンということだが、ちょっと信じられないほど変わっている。もし本当にそうならレンズ性能がいいんだろう。夕方5時過ぎにお風呂に入り、夕ご飯を食べて8時から「写真史」講座1回目の再配信。内容は「ドキュメンタリー写真」について『LIFE』から始まって日本の『PROVOKE』までを話した。日曜日にやった内容をその週の土曜日にもう一度生配信するのだが、いつも再配信の方がうまく話せる。

<2007年1月23日の日記から>

写真家の鬼海弘雄さんと2Bで打ち合わせ。作家のオリジナルプリントを作家の解説つきで見せてもらう「ビューイング」を昨年からワークショップ終了者を対象におこなっており、今回で3日目となる。鬼海さんはワークショップの中でも人気がすこぶる高い。作家を前に作品を見ることができ、ダイレクトな質問をすることができるのは楽しい。打ち合わせの後、何人かで中華料理屋へ。以前鬼海さんに「デジタルは使わないんですか?」と聞いたところ「ザルから愛情がもれるような気がするから使わない」と言っていた。なのにこの頃使ってみたくなったらしい。「小さくて、いいデジカメは何がいい?」と聞かれたのでリコーGRDを勧めた。そしたら鬼海さんはファインダーがないと嫌だという。ひとりが持っていたGRDにコシナの外付けファインダーを付けたのを見せたら大喜び。今度海外で使ってみようかと言い出した。土曜日は「日本カメラ」の月例コンテスト年度賞表彰式だった。ホテルの宴会場での立派な会だ。1年間戦い抜いたものだけが集まれる。晴れやかな感じがよかった。誌面上の審査で写真は知っていても皆始めて会う人ばかりだ。ほとんどが年配者。しかしカラープリント年度賞1位は若干23才。僕は彼の昆虫写真が好きだ。将来彼が有名になったら「あいつは俺が見つけた」と言ってやろう。現在モノクロ印画紙の供給最大手のフォルテが工場閉鎖になることが決まったようだ。ということはフォルテで作っているベルゲールも生産中止となるわけだ。ようやくベルゲールに慣れた矢先の出来事に唖然。またしても印画紙難民となってしまう。今日ヨドバシでベルゲールの印画紙を棚買い。でも使いはじめたらあっという間だ。

完了!

朝=キーマのドライカレー/夜=ラフランスとチーズのサラダ、鳥手羽のスパイス焼き、生ハムとキノコの玄米パスタ

最近、ウチで再開しはじめた「ウクレレナイト会」に来たPCに強い友人にMacの相談。一度盛り盛りの注文を入れたのにエラーで通らず、一晩経ってちょっと冷静になった。いったいどののスペックがいいんだろう? この場合、Youtuber目線で言えば「最高スペックこそ正義」なのだが、もう一度考えなすことにした。

で、彼にいろいろ相談した結果、サイズは16インチ、メモリは32G、SSDは2T、MAXモデルじゃなくて通常のPRO。これで盛り盛りスペックより15万円抑えることができた。今使っているのがインテル最終系の16インチだから、このスペックでも体感的にはかなり違うだろう。今回は無事注文が通り、来月の10日くらいには届くようだ。新しいMacのためにカルデジックのドッキングステーションも合わせて購入。

これで我が家には2012年、2015年、2019年、2023年のMacbook Proが並ぶことになる。妻が2012年モデルを使っているが、さすがに最近調子が悪いみたいなので2015年モデルに移行して、僕は2019年モデルをバックアップに新製品を使うことに。2BChannelをやってなかったら、今でも2015年モデル使ってたろうな。

<2022年1月22日の日記から>

午前中に原稿を書いて、印刷の構成のチェックをやってしまったらやることがなくなった。毎日日記を書いているおかげでキーボードに手を置いているだけで原稿が出来上がってしまう。ちょっと便利。「まん防」が出たので、またしても行動が制限されてしまった。数件の用事が吹っ飛んで、ちょっと時間ができてしまった感じで所在ないというか。30年前のアシスタントと、最近また連絡を取り合うようになって、彼も「2B Channnel」のハッセルの描写に驚いていた。彼は現役の広告カメラマンなので何を使っているのか聞いたら「一応キャノンは持っていますがメインはライカSL 2sとM10です」と意外な答えが返ってきた。「ライカってやっぱりいいの?」と聞くと「違いますね、やはり驚くような表現します」と。一瞬「あれ? もしかしてソニーじゃなくてライカ買った方がよかったか」と思ってしまったが用途が違うから。もうひとりの元アシスタントは青山にスタジオ建てて物撮りで成功している。彼は「キヤノンR5ですが、たまにPhaseOne iQ3 トリクロマチックをリンホフM679に付けて撮影しております」と、なんかプロっぽい。「まん防」があけたら元アシスタントたちに集合してもらうことにした。現役バリバリの話が聞ける。

<2004年1月22日の日記から>

落札したニコンのハイスペックフィルムスキャナー8000EDが届いた。ヨドバシの5年保証が後3年と9ヵ月も残っている。精密機械だけにとてもありがたい。出品者は大阪の広告カメラマン。EOS1Dsを買ったので必要がなくなったので売りに出したと書いてあった。丁寧な方でとってもいい買い物ができた。8000EDは、IEEE1394のポートしか対応していないので、今日IEEEのボードを2500円で購入。ついでにデュアルモニター用のボードを6500円で手に入れた。明日繋いでみる予定だ。これで事務所のパソコン環境はDELLの高速マシン、21型CRTモニター、15型液晶モニター、外付けHD、シャープメビウス、キャノンピクサス9000プリンター、オリンパスP400プリンター、エプソンPM3000Cプリンター、エプソンGT9000フラッドベッドスキャナーそれにニコンクールスキャン8000EDとなった。1年前のへっぽこi-Mac1台からあっという間に揃ってしまった。自分でも驚いてしまう。しかし、一度足を踏み入れてしまうともう戻れない気がして怖い。お金を出した分だけ環境が整う。逆に環境が整わないと遅れてしまう気がするのだ。プリミティブに機材を整理したい欲求と、すべての環境を整えたくなる欲求が交差する。

 

注文エラー

昼=鹿肉のカレー、野菜サラダ、素揚げのムカゴ/夜=焼き餅、ゴボウ鶏唐揚げ、温野菜

石井智彦さんに来てもらって「2BChannel」の収録。今回はマーティン・パー。あまり馴染みがないかもしれないけど、かなりの重要人物。日本の写真集ファンでも知られている。

さてMac問題。意を決してMAXモデルにSSD4T積んで購入ボタンを押したのだが、朝起きてみたら何かのエラーで注文が反映されていなかった。なんだよ、せっかく買うって言っているのに。なえる、激しくなえる。さらばインテルと思っていたのに。

しかし高い。とてもパソコンの値段じゃない。でも1990年台のMacのクアドロⅡって1メガのメモリーが1万円してて32メガ積んだモデルが70万円くらいしてた覚えがあるから、値段的には変わんないのか。しかし一晩経つと、一括で払えない物を買うってどうなんだろうって気にもなってきた。こういう買い物って、勢い無くしては買えたもんじゃない。昨年の日記を見るとちょうどSONYのカメラを買っている。やっぱり同じくらいしてる。

<2022年1月21日の日記から>

真新しいα7Ⅳの設定。メニューが複雑多岐にわたるが、Youtubeで懇切丁寧に解説しているものが多いので、完全に説明書代わり。早く実践で使いたい。昨夜の2BChannnelでハッセルブラッドX1D2の写りの話をしたら、案の定けっこうな反響があった。数人の知り合いからもメールで「あれはどうなってるんだ?」と聞かれたが、設定は全てオート。たいしたことはしていない。動画のコメントで「ホワイトバランスの違いではないか」という指摘があったけれど、パナソニックS5もハッセルブラッドX1D2もオートホワイトバランス。試しにパナソニックS5のRAWデータからホワイトバランスを変化させてみたが、あんな風にはならない。もっとも比較テストのために撮っているわけではないので、パナソニックS5のほうが若干シャッタースピードが遅くなっている。もしかしたらそれの影響が写りに関係しているかもしれない。でもそもそもが全然違っている。本当にカメラが違うだけで写りってそんなに変わるものなのかは疑問だ。まだ信じられない気持はある。ひとつだけ言えるのは「すごいものが撮れちゃった」っていうこと。「どんと焼き」各地で行われるから、是非写真を撮ってみてどう写ったか教えてください。

<2008年1月21日の日記から>

昨年12月の暮れも押し迫った頃に、わざわざ米沢まで来てもらって僕を撮ってもらった写真が今月号の写真雑誌「CAPA」の巻末「写し屋の肖像」に4頁に渡って載っている。CAPAの表紙を撮っている土屋さんと、米沢と福島の県境にある峠の駅に行ったときのものだ。雪の米沢で撮影するはずが、行ってみたら雪は少なく市内ではイメージに合わなかった。温泉に1泊し、翌日電車で峠の駅で降りた。そこは標高が高く雪があると思ったのだ。電車が3時間に1本しか通らないので、駅前の茶屋に電話をして営業しているか確認してから向かった。3時間も暖をとらなかったら凍えてしまう。峠の駅は予想通り雪に覆われていて土屋さんにもスイッチが入った。EOS1DsMark3という現在最強のカメラでバリバリ撮っていく。初めて人の撮影するのを見た。アシスタント経験もスタジオマンの経験もない僕は、人がどうやって撮影しているかをほとんどしらない。たまにスタジオに入ったときに隣のスタジオを、ちょっと開いたドア越しに覗き見るくらいだ。だから撮られながらずっと土屋さんを見ていた。アシスタントとの連携、レンズの選択、ストロボの使い方、感度や露出の決め方。そしてモデル(僕のことだが)に対する指示。なるほどこうやっているのかと感心しきり。似ているところもあれば、まったく違う場面もあり、知らなかったことも多かった。土屋さんがしきりに言っていたのが「写りにきてくれ」という言葉。写される方が漫然と立っているのではなく、写されることを意識して、どう写りたいかを見せてくれということだ。ポートレートを撮っていると分かるが、自然なポーズは不自然なくらいの演出によって生まれるものだ。写真的に成立する状態においてのみ自然に見えるわけだから、立ち位置もポーズもそれに合わせなければならない。外での撮影がひと段落し、暖をとろうと茶屋に向かった。ところが茶屋は閉まっている。「今朝電話したものですが」と扉を開けると「ホームでの物販はしているがお店はやっていない」とにべもない。途方にくれてホームの待合室に向かう。そこは無人駅だから暖房も入っていない。寒さで震えてきそうだった。そのとき新幹線の通る合図のチャイムが鳴った。土屋さんはホームに飛び出し、「ここ、ここに立って」と僕を促した。新幹線は左側からやってくる。ということは体も左側を向けばいい。目線は顔がシャドーにならないようにちょっと上目で。持っているカメラは首からぶら下げないで、手に持って胸のちょっと下側に構える。新幹線が僕の前を通る瞬間、土屋さんのシャッターが「カッシャン、カッシャン」と数回切れた。驚くほどスローなシャッター音だった。土屋さんに聞いたら「2分の1秒くらいかな」と平然と言う。「感度は?」と聞けば「100」と答える。一脚を使っているとはいえ、なんで400にしないのか不思議でしょうがなかった。1DsMark3なら感度1600でも問題ないはずだ。土屋さんは「2分の1秒が好きなんだよ。瞬間ではなくて時間を感じられるから」。眼からうろこが3枚ほど落ちた思いがした。その時の写真が今回のCAPAに使われている。スローシャッターでぶれた新幹線は不思議な発光体となって僕を照らしている。まさに移動するレフ板のような絶妙な効果。この効果は土屋さんも予想以上だと思うが、時間を写しとめたいと考える土屋さんにしか撮れない写真には間違いない。僕があの状態で撮るなら感度は1600にして30分の1秒のシャッタースピードを選択したことだろう。そしたらあの写真は生まれなかった。寒さで震えていた我々を、もうひとつのお店が拾ってくれた。何もできないけど、と食事まで用意してくれたのだ。暖かい部屋で米沢の味を楽しむことができた。2日間かけて撮影してもらうことなど今後の人生で考えつかない。第一線のプロの撮影を目前で見られるとても貴重な体験だった。

 

心が揺れるMac祭り

昼=太田の和定食/夜=香味園の中華

MacBook Proの見積もりをしてはカートに入れてを繰り返す。しかし未だ決断できず。知り合いとチャットしていて彼は「この際だから最高スペックで」と言っていた。ストレージは8T出そうだ。でも最後の最後でクリックできずにいるらしい。でも買うだろうなw

実はTVが壊れてしまって、しかも配信用に使っている確認用のモニターなので困ったことになった。リビングのTVをとりあえず代用として事務所部屋に持ってきたのだが、妻から不満が出る。これはそんなに高いものじゃないようだが、今までのもので十分まかなえていただけに出費感があるな。

MacBookをMAXモデルにしないで通常のPROにすればその差額でテレビも買えるのだけど、YoutbeのMac祭りを見ていると心が揺れる。

<2022年1月20日の日記から>

機材の入れ替えで散らかり放題の事務所を片付ける。そしてα7Ⅳを箱から出す。中身はかなりあっさりしている。ハッセルは物々しかったよな。ワンタッチでAPS-Cサイズにクロップできるようにセッティングして、ついでに超解像ズームという電子ズームを背面ボタンに割り当てたら35ミリが見かけ上78ミリになる。写真ではしんどいかもしれないが、動画ではフルHDをちゃんと解像する。ここ最近ずっとα7ⅣのYoutubeを見ている。設定の方法は役に立つし、レンズとか気になってしょうがない。買ってからまだ1枚も撮ってないけど。過去日記を見たら2006年にコニカミノルタがカメラ部門撤退でソニーが引受先になったんだよなあ。あの時キヤノン、ニコンと肩を並べるというか、追い抜くようなメーカーになるとは誰も思っていなかった。後発の強みがいい方に出た。午後から松本の本の仕事でzoom会議。印刷について担当者と印刷所の方と3人で2時間以上、あれこれやりとりをした。もしコロナがなければzoomはこんなに普及していなくて、そのたびに松本に行かなければならなかったかもしれない。そう考えると、コロナで仕事の仕方が随分と変わってしまった。夜に「2BChannnel」のライブ配信。しばらくの間、ライブ動画には広告をつけないことにした。これまでのライブの過去動画の広告もオフにした。それがどんな効果をもたらすのか、ちょっとした実験。ライブでハッセルブラッドX1D2の画像を紹介。これを見てハッセルに手を出す人が出てくるかな(笑)

<2006年1月20日の日記から>

とうとうコニカミノルタが全ての写真事業からの撤退を発表した。写真関係者と会うと挨拶代わりにその話しになる。コニカミノルタギャラリーの存続が気になる。京セラの撤退、ニコンも縮小、オリンパスも銀塩を止めている。残るペンタックスもいつまで続けるか分からない。ライカがエルメスに見限られるのも時間の問題。ハッセルの雲行きもあやしい。となると、フィルムカメラはキヤノン、フジ、そしてコシナということか。皆そのことを嘆いているが、カメラなんてこれまでのものが中古で流通すればとりあえず問題はない。フィルムもフジが作り続けると宣言しているから信用している。ディスコンの発表があったら専用冷蔵庫を買って保存すればいい。レコードがCDになったからと言って音楽が変わることはなかった。写真だって変わることはない。専門に写真を学ぶところで暗室が消えていく。デジタルに特化していくのは時代の流れだ。これからの時代は新しくデジタルを使って作品を作る世代が登場してくるだろう。オヤジはオヤジなりの写真を撮っていくのだよ。

Macと『写真』

朝=自家製カレーパン、トマトスープ/夜=親子丼、無限キャベツ、納豆、味噌汁

朝起きたらMacbook Proが突如リリースされていた。最初なんだかよくわからなかった。6月くらいに出るもんだとずっと思い込んでいたけど、それにしても1月って早くないか? 今使っているのが2019年生のインテルMac最終系で、その時点でスペックてんこ盛りにしたのに、最近はスペック不足を痛感している。試しにカートに入れて値段を試してみた。16インチモデル、4Tストレージ、メモリ32Gで572800円! ここに3年保証をつけるとプラス5万以上。カメラも高いがPCも高い。毎日使うもんだし仕方ないか。無金利だから24ヶ月で割った方がいいんだろうか。雑誌『写真』の3号 が届いた。テーマは「写真と文章」。編集長村上さんの序文がよかった。

「英語のSPELLには言葉という意味のほかに魔法、呪術といった意味合いもある。言葉無くして写真を語ることはできず、写真と言葉はどちらも世界との距離を示すツールで、記号であると同時にその連なりが人と人を結びつけ、時には人の心を揺るがし世界を憂う多様性複雑さをつなぎ止める力を含んでいます」(序文より)

口絵は川田喜久治。90歳の新作だ。きちんとインタビューも載っている。他の口絵にも内林さんが考察を載せているのがいい。僕も西田航さんと対談させてもらった。写真系YouTuber同士の話は、これからの写真家という存在について。

<2022年1月19日の日記から>

昨日の日記が普段の数倍アクセスがあった。何でだろう。たいしたことを書いたわけではないのに。インスタもバズってるわけでもないし。謎だ? さて、ハッセルブラッドX1D2のセンサーが汚れてきたので原宿のショールームでクリーニングしてもらう。その間にデモ機を触り倒し、先日出たばかりの「ハッセルブラッド80周年モデル」を見せてもらった。世界限定800台。907に30ミリレンズとグリップ、外付けファインダーがついて170万円! ライカも高いがハッセルも負けてないな。気になるのは僕が使っているX1D2の後継機。フジフィルムとのラージフーマットカメラが1億画素を出しているから、間違いなくハッセルブラッドでも出してくるはず。いまの5000万画素で十分足りているのだが、どんな写りか試してみたいもんだ。その後、新宿MAPカメラで、パナソニックS5セットを売却。他にも複数台持っていて、最近は出番がないソニーZV1なども。査定の間に階下のソニーブースを見ていたら、品薄のα7SⅢがあった。35万円ちょっと。α7Ⅳをまだ使っていないのにね。でもカメラマンの習性として同位置機種を2台持ちたい欲求があるから、いずれはね。まずはα7Ⅳを使ってみないと。帰りにヨドバシに寄って、新しいレンズの保護フィルターとNDフィルターを購入。ここでもカメラを触り倒す。キヤノンEOSR3を初めて触った。見かけより軽くてびっくり。凄まじい連射速度。さすがだね。

<2003年1月19日の日記から>

昨日は娘の「バレエ」の発表会。娘と妻を車で都立大学まで送り届ける。都立大学跡地に図書館、体育館、ホールなどが集まった複合施設が新しく出来ていて、そこを借りてやるらしい。小さいホールでこじんまり、かと思っていたらプロが使うような1000人収容の大ホールでやるという。たかが子どものバレエの発表会にしてはすごすぎないか? リハーサルの時間が結構あって、本番まで時間があいたので、近くに住むカメラマンの友人Oの家に遊びに行く。彼とは同い年で出身地もすぐ近く、フリーカメラマンになった時期もほとんど一緒なら結婚したのも同じ頃。フリーになりたての頃知り合い、いくら働いても日当15000円の時代から、降って湧いた様なバブル時代、そして不景気なこの頃までと、ずっとお互いの仕事を見てきた。彼は「輝け! 日本で忙しいカメラマンランキング」でいくと、おそらく250位くらいには入っているのではなかろうか。とにかく知っているカメラマンの中で一番忙しい。どれくらい忙しいかと言うと、北海道ロケから戻って羽田で着替えとフィルムを受け渡し、そのまま沖縄ロケに行ってしまうくらいである。ある時、僕がすごく忙しい時期があって、たしかひと月22本の仕事をした時だったと思う。自慢げに「イヤー、今月はいそがしかったよ」と彼にいうと「俺は今月たいしたことなかったなあ」という。「勝った!」と思い、彼に撮影本数を尋ねたら、なんと「25本」だった。25本でたいしたことのない生活をしているとは。以来、撮影本数を自慢するのはやめにした。彼の事務所部屋をのぞくと、そこはまさにコンピュータールームだった。ざっと見ただけでMacのG4デュアル、パワーブックG4、DELLのハイスペックマシン、ニコンのブローニーフィルム対応スキャナ、17インチツイン液晶モニター、エプソンのプリンターが2台、デジカメがニコンD-1とフジのS2PRO。デジタル撮影の割合が多いというのも納得。夕方から発表会。親バカに徹して「EOSD60」で娘の舞台を撮る。感度1000で撮るがとてもきれい。デジカメは条件が悪くなればなるほどフィルムに対してアドバンテージを保てる。悪いが、会場でオフィシャルで撮っているカメラマンよりあがりはいいぞ。なにせ彼らの使っているのは感度800のネガカラーなのだから。

 

「スラムダンク」は必見

朝=肉うどん/夜=ラム肉のカツレツ、小松菜と揚げ出し豆腐の炒め煮、白米、味噌汁

新宿に出る用があったので御苑の映画館バルト9に寄ってみた。「すずめの戸締り」を見ようかと思っていたけど、時間の関係で「スラムダンク」を見ることにした。どちらもアニメだから。僕は国内映画はアニメの方が好きだ。「スラムダンク」は漫画で読んでいたし、作者の井上雄彦さんは、仕事で数回撮影をしたことがある。一度は結構長い時間をかけての撮影だったのだが、人気絶頂にも関わらず、クライアントにも、アシスタントにも同じように接する姿を見て尊敬する人物のひとりになってしまった。

今回の映画は、新しい物語の展開ではなく、ポイントガードのリョータにスポットを当て、あの「山王戦」を描いていく。結果は知っているのに、最後のシーンは感動する。井上雄彦の書く物語ってすごいな。大正解の選択だった。漫画を読んでいた人は必見だね。

<2022年1月18日の日記から>

松本のデータを印刷用に仕上げる。先日書いた「さんくろう」の炎の写真はハッセルとパナソニックの両方で撮ったのだが、その違いが面白い。これは今度の2B Channnelライブのネタになる。僕のインスタにも1枚上げたので気になる方はどうぞ。ちょっと驚くはず。銀座に用があったので、ソニーストアに寄ってレンズをあれこれ試してみる。やっぱり単焦点レンズは気持ちがいい16-35F2.8と70−200F4の2本のズームレンズだけなので真ん中が抜けている。ゆくゆくはそこを何かで埋めたい。シグマの28-70f2,8が軽くて性能がいいと評判なので気になる。でもシグマは35ミリと65ミリのF2の明るいレンズがいいんだよな。銀座から新宿に出て「リコーGR TV」のゲスト出演。ホストは赤城耕一さん。GR3とGR3Xの話なのだが、かなり暴走。担当者が困ってた(笑)   編集大変だろうなあ。すいません。でもメーカー系の番組にありがちな予定調和的な話はしていないので面白いはず。今週中にはアップされるらしいのでお楽しみに。赤城さんはライカのM11を触ったらしい。相当いいそうだ。僕も銀座に行ったついでにライカショップに行ったのだがお休みだった。120万円のカメラには100万円のアポズミクロンをつけるのがお約束なんだろうね。

<2006年1月18日の日記から>

『日本カメラ』の審査も早いもので4回目。少しはペースがつかめてきた。審査前に編集部の担当者とお昼ご飯を食べるのだが、さすが人形町、何でもおいしい。今日は洋食屋でフライのセットを食べた。さっくり揚げられているので、胃もたれすることなどない。編集部のすぐそばに親子丼で有名な「玉ひで」がある。いつ見ても長蛇の列。審査をしているうちに、一度は食べてみようと思う。2月号ができていたので早速見てみる。「da.gasita」が8ページで掲載されている。難しい雪の写真が多かったが、十分印象は伝わる印刷だった。編集長が「何度もやり直しで大変でした」と言っていた。中藤毅彦氏のニューヨークが次のページに載っている。相変わらずグイグイと力強い写真だ。どこに行っても、どこを撮っても一目で中藤毅彦と分かる。

「作るは簡単、売るは困難」

朝=焼きベーグルのたまごサンド、トマトスープ/夜=親子丼、味噌汁

寒いね。なのでずっと家で『da.gasita』にサインを入れて、トートバックに包んでをくり返していた。一日中やってもさっぱり目処がたたんw  相変わらず本はうず高く積まれている。これは早急になんとかしないと家が傾くぞ。「本を作るは簡単、売るは困難」というのをひさしぶりに思い出した。最初に作った写真集も自費出版だったので事務所が本で埋まったけれど、今回も似たようなもんだ。

フィルムの高騰は冗談のようだけど、印刷費もかなり上がっていて、赤々舎のツイートでも「値上がりがすごくて見積書が正視できない」とあった。「2BChannel」のコメントに「なぜそんなにフィルムにこだわるんですか」とあったけど、合理性じゃ片付かないこともあるわけで。とは言え、ずっとフィルムで撮って写真集を作り続けるというのは徐々に難しさを増していきそうだ。

<2022年1月16日の日記から>

肝心要の17歳のポートレートが松本市のコロナ警戒レベルMAXのため撮影できなくなるという不測の事態が発生し、朝ご飯を食べながら担当者と打ち合わせ。「さあ、どうする?」。当初四季を通して12人の撮影予定が最終的に7人まで減ってしまったのは痛い。とはいえ嘆いてばかりもいられない。食事後も移動しながらずっと話し合う。一旦撮影から戻りホテルのロビーで今までの材料をあげて調整作業を続ける。そして夜、最後の撮影へ。「さんくろう」という豊作祈願のお祭りで巨大な櫓を燃やすもので「どんと焼き」と同じ。火をつけるとあっというまに火柱になり盛大に燃える。火がおちついた頃に、枝の先につけた団子を火であぶって食べる。ハッセルブラッドのX1D2で撮影したのだが、写りが常軌を逸している。撮りながら興奮してしまうほど。使うたびに感動できるのだから、すごいカメラだよなあ。この仕事の最後の撮影がうまくいって、明日は気持ち良く帰ることができる。

<2006年1月16日の日記から>

横木 安良夫 写真展 『Teach Your Children』のパーティが13日にあった。ギャラリー所狭しと貼り付けられた写真、写真、写真。横木さんが70年代、学生からアシスタントの時に撮った、まだ何者のでもない時代の写真だ。見ていて不思議に思ったことがある。どうして当時の横木さんの写真はこんなに「バタくさい」のだろうか?古き日本というよりアメリカを感じてしまう。横にいた赤城耕一がつぶやいた「ロバートフランクだよねえ」。ああ、なるほどロバートフランクかあ。横木さんにロバートフランクは好きかと聞いてみた。「あったりまえじゃないか。写真を始めた頃に一番好きだったのはフランク。それと高梨豊だよ。でも天才だとと思ったのは篠山紀信」。横木さんのルーツがちょっと分かったような気がした。今回の展示は全てエプソンのプリンターで出力されている。ちなみにA1ノビのプリントは僕の事務所で出力した。銀塩プリントと、印刷物の中間に値するものだと横木さんは言っている。1枚欲しいなと見ていると、数百枚のプリントの中で1枚だけ70年当時のヴィンテージプリントがあった。雨に濡れた車の写真だ。ネガを紛失してしまい、もうプリントすることはできないらしい。そう言われると俄然魅力的に見えてくる。やはり物として欲しいのはその1枚だなあ。でも当然非売品。後半はお酒が入ってちゃんと見ることができなかった。会期が長いからもう一度見に行ってこようと思っている。