第6期オンライン「美術史講座」募集

第6期オンライン「美術史講座」(全13回/有料)のご案内

 スタートは9月11日(日)から約3ヶ月、13回の連続講座です。

毎週日曜日の午後8時からのライブ配信で、その週の金曜日午後8時からも見逃した方のために、もう一度同じ講座を再度ライブ配信します。さらに、どちらも見逃した方、もう一度聞きたい方のために、各回の配信動画も受講者限定でその都度アップしていきます。

 <受講料>

全13回 28,000円(税込/追加料金なし)

<申し込み方法>

「第6期美術史講座受講」と明記の上、下記アドレスまで。 

https://form.run/@yahoo-1661914470

(workshop2b10th@yahoo.co.jp   より返信)

受講料振り込み(下記参照)を確認した上で、視聴アドレス等をお送りします。

 

<支払い方法>

@クレジットカード払い 「BASE」から

https://2bh.base.shop/items/66164629

 

 <時間/毎週 日曜と金曜> 

日曜日、金曜日共に20時~22

★受講者限定で講座に使う資料と配信した講座の動画のダウンロード可能。

★各回の講座では、最後にzoomのチャット機能を使って質疑応答を行います。

本講義では、「歴史は苦手です」という方や、「美術史は初めてです」という方に是非、ご参加いただきたいと思っています。西洋史から美術の流れを知っていく講座ですが、ひとりの作家や作品を詳しく解説するのではなく、その作家や作品が生まれた時代、社会的な背景を、その時々の事件・情勢を交えてお話します。そのため経済、宗教、哲学、思想を横断するように解説していきます。美術の歴史はそのまま世界史と繋がり、現代のアートを理解する上で非常に重要な知識となります。本講座を修了後は、さらに詳しく解説する「写真史講座」へと繋がります。

 <日程と主な内容>

■1回目 9月11日(日)/<再>9月16日(金) 

「ルネッサンスってなんだ?」   「ルネッサンス」という言葉は、日本語に訳すと「再生」になります。では、何からの再生だったのか? そこには商業の発展とキリスト教の支配の歴史の関係が見えてきます。 #ダヴィンチ #ボッティチェッリ #メディチ家 #ローマ教皇 等々

■2回目 9月18日(日)/<再>9月23日(金)

「荒ぶるバロック」  調和が優先されたルネサンス絵画から、動きのあるバロック絵画へ。突如花開き、あっという間に散ったオランダ絵画たち。宗教改革の歴史を知ることは、美術を見る上でとても重要ポイントになります。#カラバッジョ #ルーベンス #レンブラント #フェルメール 等々

■3回目 9月25日(日)/<再>9月30日(金)

「フランス革命が変えた世界観——近代のはじまり」  現代美術を考える上で、実はもっとも大事なのは、近代の理解。近代と現代とは、いったい何が違うのか! フランス革命で何が変わったのでしょうか。#ダヴィット #アングル #ドラクロア #クールベ #ミレー #コロー 等々 

■4回目 10月2日(日)/<再>10月7日(金)

「印象派の誕生——写真の発明がもたらしたもの」  1800年になると急速に科学が発達し、産業革命による経済の格差や写真の発明が起こりました。ブルジョワが誕生し、絵画を需要する幅が増えていった時代です。#マネ #モネ #ルノワール #超重要画家セザンヌ #ゴッホ #ゴーギャン 等々

■5回目 10月9日(日)/1週飛ばし<再>10月21日(金)

「二度の世界大戦がすべてを変えた」  第一次世界対戦はヨーロッパの人々に大きなダメージを与えました。信じていたものが崩れ去り、世の中に虚無感が広がります。ダダイズムとシュールレアリズムがもたらしたものとは。現代美術はここから生まれました。#デュシャン #ピカソ #ロシアンアバンギャルド #バウハウス 等々

★10月14(金)と16日(日)は渡部の仕事の都合によりお休み

■6回目 10月23日(日)/<再>10月28日(金) 

「アメリカファーストの時代へ」  1950年代、経済の中心はニューヨークに移ります。そしてアートもアメリカファーストの時代に。それはなぜか。絵画は対象物を描かない「抽象表現」へと変容していきます。#キスリング #ミュシャ #クリムト #ポロック #ロスコー #CIA 等々

■7回目 10月30日(日)/<再>11月4日(金)

「コンセプチュアルアートってなんだ?」  時代は美しいものを求める「美術」から「概念」自体を問うアートへと変化していきます。そこには、大量消費社会や日本の「禅」も大きくかかわってきます。#ジャスパー・ジョーンズ #ウォーホール #リキテンシュタイン #モンドリアン #バスキア #キース・ヘリング 等々

■8回目 11月6日(日)/<再>11月11日(金)

「ついに何がなんだかわからなくなる現代のアートへ」  社会は関係性でできています。それを現すのが現代アート。社会批評や貢献すらもアートの範疇に。経済界の人々はなぜ現代アートを好むのでしょうか? #マウリツオ・カテラン #バンクシー #KAWS(カウズ)#ジェフ・クーンズ#奈良美智 #塩田千春 等々

■9回目 11月13日(日)/1週飛び<再>11月25日(金)

「日本アートの歴史」  日本の美術の歴史をいっきに解説します。中国の影響から日本独自の絵画へ。そして西洋化へ。すべては村上隆へと繋がっていました。#狩野派 #浮世絵 #藤田嗣治 #岡本太郎 #オノヨーコ #草間弥生 等々

★11月18(金)と20(日)は渡部の仕事の都合によりお休み

■10回目 11月27日(日)/<再>12月2日(金) 

「思想と哲学」   難しいと思っている人が多いけれど、かなり楽しい思想と哲学の世界。人間とは何か、社会はどのようなものか、ギリシャ時代から、人間は考えて続けています。#プラトン #デカルト #ニーチェ #フロイト #ユング #サルトル 等々

■11回目 12月4日(日)/<再>12月9日(金)

「現代思想」  ここがとっても大事! 実存主義から構造主義へ。そして現在の主流とは? 現代アートに大きく影響してくる「現代思想」をできるだけわかりやすくお話します。#ソシュール #フーコー #バルト #レビィ=ストロース #ジャック・デリダ 等々

■12回目 12月11日(日)/<再>12月16日(金)

「宗教」  日本人は宗教をあまり知らないと言われていますが、実はアートととても密接に繋がっています。世界三大宗教から日本の宗教までを解説します。#ユダヤ教 #キリスト教 #イスラム教 #仏教 #密教 #神道 等々

■13回目 12月18日(日)/<再>12月23日(金) 

「音楽・建築、映像の歴史」  音楽も建築も映像も、美術と同じく歴史と密接に関わっています。古代の建築から現代のアニメーションまで、その流れを一気に解説していみます。

 

浅間国際と諏訪大社

朝=タコとトマトの蕎麦粉パスタ/夜=火鍋もどき

8月は秋田、八戸、瀬戸内と毎週出掛けていて、最後に「浅間国際フォトフェスティバル」に行ってきた。https://imaonline.jp/news/event/20220708-2/

長野県の軽井沢近くにある、御代田町がメイン会場になっている。二つの大きな施設内での展示と、屋外での展示が組み合わされている。3年前から始まったのだが、コロナの影響で、リアル展示は2年ぶりだったので、大きな期待はしていなかった。しかし実際に行ってみたら相当気合が入っている。展示方法が多彩で面白い。特に今年の木村伊兵衛賞の吉田志穂さんの展示が素晴らしかった。森の写真を森に返すというものだった。9月4日まで。

翌日は茅野市で行われている大規模な小林紀晴展を見に行った。長年撮り続けている作品が、ひとつの大きな川の流れのようになっている。そして下流に当たる現作は、様々なものが堆積したコラージュ作品となっている。その後、御柱で有名な諏訪大社は今まで行ったことがなかったので、本宮、前宮、秋宮、春宮を全て回って帰ってきた。

 

<2021年8月29日の日記から>

クーデルカ「EXILES」の分解解説動画の収録。今回も相槌を打ってくれる人がいるので30分一発収録。25分くらいに編集して日曜日にはアップできそう。動画クオリティは低いが、内容は濃い(笑)。見てくれたら「へー」となるはず。乞うご期待。夜は美術史プレ講座。予定の2回目を無事終えてちょっとほっとした。聞いていただいた皆さんありがとうございました。寝る前に映画を1本。「人狼」というアニメ。押井守原作ということで観たのだが、これが20年前に制作されていたのか。DVDだけではなく、レーザーディスクでの販売もあったみたいだ。

 

<2011年8月29日の日記から>

 アシIこと、泉大悟が8月いっぱいで2年間のアシスタント生活から卒業。土曜日には盛大な壮行会を開いた。前のアシスタントだった古川が出たあと、1年間は専属ではなくて、助っ人でその都度いろいろな人に手伝ってもらっていた。海外での撮影も多かった頃なので、まったく不便は感じず、自分ひとりでやっていこうと思っていた。

僕はフリーになった時に何の経験もなかったから、ひとりでは何もできず、すぐに僕より経験のあるアシスタントをつけて仕事を始めた。その後、最初は仕事が入るたびに日芸の写真学科の学生たちにお願いし、その後輩たちを紹介してもらうという形で、数年間仕事をして、30歳の頃から専属アシスタントを頼むようになった。機材が多かったし、フィルムの管理など、とてもひとりではできなかったためだ。それが2005年の暮れにEOS5Dが出ると、極端に機材の量が減ってきた。データなので管理も楽になった。5DMark2が出ると、ついに仕事でフィルムを使うことはなくなってしまった。泉がアシスタントになりたいと言ってきたときには、彼の年齢も30歳ということもあって一度は断ったのだが、中国語をネイティブ並みに話せると知って、何の経験もなかった彼だがアシスタントを頼んでみることにした。

大人になってから外国語をネイティブ並みに習得するということは、センス以外にかなりの努力を伴うものだということは容易に想像できる。何かを習得できた経験は、写真の場合にも通じる気がする。それに彼の社会人としての今までの経験が自分の仕事にも役に立ってくれるのではないかと思えたのだ。僕の仕事の質が徐々に変わってきて、彼には満足な経験をさせることができなかった。しかしその分、作品作りとしては、わずか1年半でニコンサロンで個展を開くことができるまでになった。そして彼のカメラマンとしてのスタートを応援してくれる人がたくさんできた。9月10日に発売される『旅するカメラ4』では、表紙から中ページのカメラのブツ撮りはすべて泉にまかせた。注文は「かっこよくな」の一言だけ。彼はその注文にこたえてくれた。泉はおそらく最後の専属アシスタントになる。末っ子みたいな感じだな。

 

「土田ヒロミ インタビュー後編」アップ

朝=小豆島うどん/夜=鰻重/夜食=蒟蒻の炒め煮、ラーメン

「土田ヒロミ インタビュー後編」を手直ししてアップ。土田さんは36年間、自分の顔をほぼ毎日撮り続けている。写真集にはそれがずらっと並んでいるのだが、当然だが隣り合った写真にはなんの変わりもない。でもそれが10年20年30年と経過していくうちに大きく変わって行く。土田さんは「一瞬ではなく、緩慢な時間を写真にしたかった」と言っていた。タイトルは「AGING」、経年変化や老化の意味がある。これはまさに「メメントモリ」だ。その後、動画を1本撮って編集。ネタさえあれば2時間くらいでできるようになった。

そして携帯のキャリア移行に再び吉祥寺のビックカメラへ。その前に、NMP番号の通知が約束の時間を過ぎても届かず、カスタマーサービスに電話をして直接教えてもらった。この作業だけで疲弊してしまう。店頭でも1時間以上かかって手続きをしてようやく移行終了。でもYモバイルのマイページに入れないという問題が発生。店頭ではわからないと言われてしまう。電話でサービスセンターで聞いてくれと言われてしまうが、電話相談で解決するものなのか? お店を出るときには、もうぐったりしてしまい、元気を出すために鰻を食べて帰る。

 

<2021年8月26日の日記から>

結局、副反応による熱は出なかった。でも目覚めがスッキリかというとそうでもなくて、肩の周りや腰のあたりが筋肉痛のようになっている。体調は85%くらい。動けるし、仕事もできるので問題はないけど、なんか変。20時から2B Channnelのライブ配信。初めての配信が2019年8月26日なのでちょうど丸2年が経ったことになる。登録者数は1万人ちょっと。ありがとうございます。思ったようにはいかないけど、思いもしないことも起きる。いい意味でね。2年間でアップした編集動画は203本でライブ配信は40回。合計243本を24ヶ月で割るとひと月に10本という計算になる。最近はちょっと更新頻度が下がっている。2年間やっても方向性は見えてこないし、戦略的なこともできない。ただひたすらその時の出来事を動画にしていくのは、この日記と同じ。日記を書き留めておくことでアイディアが出てくることがある。本日のライブはちょっと切れ味が悪いというか。もっともいい時があるのかと言われそうだが、体調のせいかな。いや、準備不足だな。なんとか50分話し続けた。ライブも気の向いた時にだけやる、ということにしたら、やらなくなるだろうな。日記とインスタとライブ配信。どれも誰にも頼まれてないけど、もうちょっと続ける。

 

<2009年8月26日の日記から>

 今年に入ってからというもの、自分の写真展で精一杯で他の写真展に行ったり写真集を買うということはほとんどなかった。時間的にどうこうというより、人の写真が見たくなくなるのだ。納品も終わり、ようやく解禁というわけではないが、写真展を見に行こうという欲が湧いてきた。手始めに野口里佳を見ようと国立新美術館に行った。乃木坂の6番出口は美術館と直結している。改札を出たら無情にも「本日は休館です」とあった。火曜日が定休なのだ。知らなかったあ。公的なものは月曜休だとばかり思い込んでいた。乃木坂から新宿へ戻り、プレイスMや蒼穹舎、ルーニィを回る。蒼穹舎では写真集を購入。あれもこれも欲しくて抑えるのが大変。鈴木龍一郎「Druk」 吉行耕平「The Park」村越としや「草をふむ音」。吉行耕平の写真集の初版本は、以前パリの美術館でショーケースに入って「Recommend」として展示してあった。村越としやは、名前は知らなかったがパノラマサイズで撮られた写真が実に地味でいい。なんでもない風景をなんでもなく撮っている。こんな地味なことができるのはすごい才能。まだ20歳代の写真家らしい。オリジナルのプリントを見てみたい。多分相当きれいなはず。夜の7時からは「ギャラリートーテムポール」で写真家百々 新トークショーがあった。相手役は映画監督の川瀬直美。会場で1999年に出版されている百々 新「上海の流儀」を購入。Moleから出版されている。写真展はカスピ海沿岸の国を撮影したものだ。トークショーはあっちこち飛びながらも制作の本質的なものを二人で語っていくものだった。僕は川瀬直美の言葉を聞いていて手のひらがぐっしょりと汗ばんできたのを感じた。会場の暑さのせいでは説明がつかないほどの汗だ。さっぱりした。ふたりの言葉はすごく腑に落ちた。阿佐ヶ谷の駅で降りて、飲み屋で生ビールと焼き鳥を数本注文し写真集を広げる。たまにはひとりで飲むのもいい感じだ。

「2B Channel」3周年

朝=牡蠣とジャコのパスタ/夜=お雑煮/夜食=コロッケとメンチカツ

今使っている携帯のキャリアは楽天なのだが、2年経って割引期間が過ぎたので、妻と同じY!mobileにすることにした。以前、吉祥寺のヨドバシでiPadのSIM契約をしたときに、とても良い対応をしてもらえたので、今回もヨドバシへ。ところが楽天から抜けるのに最低でも1日以上かかるということで、また翌日行くはめになってしまった。楽天の旧キャリアだと移行に時間がかかるんだそうだ。それにしても、キャリア変更時に様々なサービスが提案される。コレコレを契約すると割引になるとか、家電製品が1万円引きになる特典が付くとか、電気の料金支払いをLINE経由にするとお得だとか、ウォータサーバーの機器が無料で使えるとか、説明を聞くだけで大変だ。店員の責任ではないが、断れない性格だと大変なことになりそうだ。ちなみに、妻はすべてを笑顔で断っていた(笑)。

その後、目黒のJPGギャラリーに立木義浩展、半蔵門のJICCに土田ヒロミ展を見に行く。どちらもモノクロだが、性質が正反対。でもどちらも素晴らしいモノクロプリント。図録を買って2B Channnelのライブで紹介した。

Youtubeを初めて丸3年がたった。登録者数は1万6千人。先日訪れた豊島美術館で、「いつも2B  Channnel見てます」と声をかけられた時はとても驚いた。見てもらえているんだという不思議さ。ありがたい限りです。

 

<2021年8月25日の日記から>

24日のミッションとは2回目のワクチン接種。1回目の副反応は、注射を打ったところがちょっと痛むくらいで他はまったくなかった。しかし複数の知り合いから、2回目の副反応の大変さを聞かされ、ちょっとびびっていた。人前に出ることも多いので、打たないという選択肢を取るわけにもいかず、体調を整えて2度目の接種を受けてきた。お昼ちょうどくらいに打って、夜の9時くらいに体がポカポカしてきた。熱を測ると36.7度。いつもより0.5度くらい高い。むしろ気持ちがいいくらいで、あとは何事もなく寝て、翌朝は普段通りに目が覚めた。接種後1週間で抗体がMAXになるというから、それまではちょっと行動を控えようと思う。接種後、家での様子見中に観た映画は、クリント・イーストウッドの「グラントリノ」と、漫画「キングダム」の実写版。イーストウッドかっこいいわ。若い頃の「ダーティハリー」より最近の方がいい。「キングダム」は大沢たかおがいいと聞いて見たのけど、出番はあまりなかった。どうやら続編があるみたいだ。今回は物語の説明に終わった感じ。長編アニメを実写化するのは大変だ。パラリンピック開会式、布袋寅泰が「キルビル」を演奏するシーンからの演出がすごかった。知らず知らずのうちに涙が出て鼻がズルズルになった。オリンピックの時は寸劇と言われていたけど、今回は素晴らしいパフォーマンスだった。寸劇にはない、物語の共有があった。

 

<2005年8月25日の日記から>

 EOS5Dの予約を入れようと「銀一」に電話したが、まだ入荷日もなにも決まっておらず、値段もはっきりしていなかった。実は、発売直後の新製品の値段が一番安いのは、「銀一」だったりする。ヨドバシで買うより安く、しかも早く手に入る。でも近頃はカメラやレンズに対する執着はほとんどなくなってきている。あれほど通った中古カメラ屋もめっきりご無沙汰だ。もともと飽きやすい体質なのに、ピンホールまでいってしまって「カメラはなんでもいいや」という気持ちになってしまったのかもしれない。入力機(カメラ)に対する情熱が出力機に向かっている。引き伸ばし機や周辺機器、印画紙やプリンターは気になってしょうがない。それと写真集と作家のオリジナルプリント。今日も所有している「ウィリアム・クライン」のオリジナルプリントを、ひとり部屋で眺めていた。買った時よりもっと好きになってきた。ある画商の話として「買った作品があたりかどうかは、壁に飾って毎日眺めてみればいい。3ヶ月たって『やっぱりいい』となれば、それは自分にとって本物だ」というのがあった。自分の写真も同じで、3ヶ月壁に飾って毎日見て、それでもいいと思えたら、世の中の評価を気にしなくていいわけだ。

瀬戸内トリエンナーレ2022

朝 小豆島のうどん

夜 カレー、白米、野菜ソテー、トマトと胡瓜とチーズのサラダ

数年ぶりの長旅だった。5泊もしたのは、コロナ禍前のアルル以来かもしれない。今回は9年ぶりに瀬戸内トリエンナーレ(国際美術祭)に行ってきた。いろいろな島でやっているイベントなので、まずは岡山の宇野港に1泊、そこから船で20分くらいの直島と豊島(てしま)に2泊づつで合計5泊。

以前行った時は、小豆島に泊まって、直島と犬島に立ち寄ったくらいだったので、今回はゆっくり見ることにした。直島というとベネッセのホテルが有名。美術館の中にホテルがある感じ。ベネッセの以前の社名は福武書店と言って、岡山が由来の会社なんだそうだ。そこが縁になっているんだろう。

なかなか泊まる機会もないので、「パークツイン」の方に1泊だけしてみた。宿泊客は意外と若い人たちが多い。各部屋には美術作品が飾ってあって、僕の部屋にはジェームス・タレルの大型ドローイングだった。タレルの作品はホテルの近くにある「地中美術館」にもあって、これは誰でも驚く。あえて言わないが、認識がひっくり返される。面白い。

ベネッセのホテルには、杉本博司の作品がたくさんあるのも嬉しい。小さな杉本美術館になっている。それが昼夜問わず見ることができる。外光の影響で作品の見え方が変わってくる。外にも作品があるのだが、なんと、遠くに見える海沿いの崖の上にも「海景」が設置してあった。島には他にも、大竹伸朗が作った「直島銭湯」や家プロジェクト「はいしゃ」などがあって、銭湯のほうは実際に入浴もできるので、入ってきた(笑)。

直島に満足して豊島に渡ったのだが、ここが「思ってたのと違う!」という経験ばかり。クリスチャン・ボルタンスキーの「ささやきの森」「心臓音のアーカイブ」(僕も心臓音をアーカイブしてきた)もよかったが、なんと言っても豊島美術館が本当に素晴らしかった。「感動した」なんて言葉では語れないくらい。内藤礼の作品があるとしか知らなかったのだけど、知らなくてよかった。なので是非みなさんも事前情報なしで行ってみてください。ちなみに内藤礼のコンセプトは「たったひとつだけのもの」だそうです。

24日(水)は、夜8時から2B Channnelライブで、今回の美術祭の話をしようと思っています。是非、ご視聴ください。

 

<2021年8月24日の日記から>

前夜のプレ講座配信のことが気になったのか、目覚めが悪い。気持ちがどよーんとしている。対面でのワークショップの時はまったく感じなかったが、オンライン配信の時はいつも終わってからモヤモヤする。満足してもらったのかどうか、聴いてくれた人たちの感じがわからないからだ。これはどうしようもない。悩んでもしょうがない。毎朝のルーティンをこなして、遅い朝ごはんを食べたら通常モードになった。ちょっと調べ物をしているうちに、あっという間に夕方になったので早々に切り上げて風呂に入ってご飯。翌日のミッションに備えて休養モードの一日だった。


<2016年8月24日の日記から>

晴れ間をぬって、2回目の写真集編集会議のため冬青へ。前回の打ち合わせを踏まえて構成したものを床に並べる。40枚を基本とするのは『da.gasita』や『prana』と同じ。サイズも同じにするつもりだ。社長とふたりで並べられた写真を俯瞰で見ていく。ステートメントを読んでもらい意図を説明する。アザープリントと数枚入れ替えたが、構成的には変化はない。そしてそのままの状態で放っておき、とりとめない雑談を始める。これはいつものやりかた。入れ込んだ気持ちを冷ますのだ1時間後、再度入れ替えを行ってみる。しかし動かない。何を入れても強固に弾く。1枚を入れ替えるには全体を見直す必要が出てくる。ということで、写真集最終構成はできた。タイトルは「demain」。すべて小文字なのは今までと同じ。9月末までにプリントを再調整して入稿作業が始まる。出来上がりは12月中旬くらいだろう。

ストックづくり

朝=トースト、スクランブルエッグ、野菜トマトスープ/夜=豚しゃぶ鍋、八戸煎餅入り

暑い、部屋の中でも暑い。今週中盤から出かけるので「2B Channnel」のストックを作る。先日見たアレック・ソスを動画にするために、買ってきた写真集を読み込む。動画を作るようになって、写真集を以前よりも時間をかけて見るようになってきた。ジャンルを特定せず、ちょっとでも引っ掛かったら購入して読み込んでいる。毎週1冊は動画にしているから、すぐに本棚はいっぱいになる。Googleから入る毎月の広告料は写真集に使おうと決めているので、気兼ねなくどんどん買えるw

これで2本ストックができた。もう1本土田ヒロミさんのインタビューもあるから、ちょっと余裕ができた。別に誰かに強制されている訳ではないけど、ついつい動画を作ってしまう。「2B Channnel」ももうすぐ3年になる。早いもんだ。

 

<2021年8月16日の日記から>

 朝ごはんを食べた後に「ブレードランナー2049」を見始めた。一度見ていたけど、最近見てるものに繋がりそうなので確認の意味もあって。すると途中まで見たところで妻がやってきたので他の映画を見ることにした。選んだのが「JOKER」。なんだよー、思ってたのと違う。「バットマン・ダークナイト」みたいなものだと思ってたのに。でも嫌いじゃない、いや好きかも。なぜかと言うと学生の時に見て、その頃一番好きだった「タクシードライバー」そっくりだったから。「JOKER」には「タクシードライバー」主演のロバート・デニーロも出ていたし。「JOKER」が刺さったのは、ちょうどマイケル・サンデルの「実力も運のうち 能力主義は正義か?」を読んでいたというのもあるかもしれない。どっちにしても身も蓋もない話だけど。しかし「JOKER」があまりにもハードだったので妻から苦情が出て(本人で選んだんだけど)、口直しに「ジュマンジ3」を見る。初代の「ジュマンジ」は見ていたけど、2話目を見ていなかったので最初状況設定がわからなかった。3がまあまあ面白かったので、夕ご飯を食べた後に「ジュマンジ2」を見ることにした。2も3もインディジョーンズがベースになっていた。映画3本半というのは、自粛期間中のお盆の正しい過ごし方だな。

 <2008年8月16日の日記から>

ふとソファの上を見ると、娘の任天堂DSが転がっている。そういえば買ったときに「英語漬け」のソフトを買っていたはずだ。

買った当初に試してみたものの、実力判定は「ドクロ」つまり何にも理解できていないということだ。久しぶりにやってみたら結構面白い。「英語漬け」はソフトが読み上げた英文を文字で書き込むものだ。日本語訳を消して使うと発音だけがたよりになる。

たとえ知っている単語でも発音されると理解できないものだ。WEBソフト"i know"で2ヶ月鍛えた成果を試すべく実力判定を受けると、数日で結果は最高ランクのSまで到達した。日によってAになったりBになったりはするものの、結果が形になったようでなんだか嬉しい。ついには、自分専用のDSと「もっと英語漬け」を買ってしまった。

イタリア取材の色校が上がったと、編集部から連絡があり確認しに行く。写真セレクトに立ち会わなかったのでどのように写真が使われているか初めて知ることになる。表紙はどんなものが使われているかと思ったら美術館の内部だった。3人のカメラマンが関わっているから「これって僕が撮ったんだよね?」とつい聞いてしまい笑われてしまった。ポジフィルムがどのように再現されるか心配していたが色校状態では十分いける。解像度も色も問題ない、というよりバッチリ。自分以外のカメラマンはデジタルで撮っているためページで比べてみると、デジタルのほうが細かいディティールの描写に優れている感じがする。シャドーの隅まで情報が見える。それに対しフィルムはザックリしている印象だ。そのかわり力強く見える。見開きページや1ページ大に大きく扱われるとデジタルに比べて迫力があるような気がする。オリンパスE-3で撮ったもので大きく扱われたものもあった。そこだけ見れば何の問題もない。でも比べてしまうと黒の深さに違いが出る。書店張り用のポスターもきれいに出ていた。スローシャッターに細い三脚でブレていないか心配していたが問題なくホッとした。鐘楼屋上から撮影した4ページ観音開きのページは迫力がある。

 

「Q20Ⅱ」

朝=おろし蕎麦/夜=胡瓜とジャコの胡麻ぽんサラダ、白浜の鮑、オクラの豚肉巻、いちご煮炊き込みごはん、煎餅汁、

小型のクリップオンストロボが届いたので1本動画を作る。LightPixLabsという香港のメーカーの「Q20Ⅱ」というモデルで、一見普通の小型ストロボなのだが、根元の部分が外れて送信機になり、ストロボをワイヤレスで発光させることができる。八戸のワークショップを手伝ってくれている本田光さんが使っていて、値段も1万円くらいと手頃だった。リコーからも同じ機種が出ていて、中身は一緒なのだが、外装がマットブラックになっている。僕はGRにつけることが多いので、マットブラックモデルにした。昔からストロボを使って、スナップを撮る方法論はあったが、最近また若い写真家にストロボを使う人が多くなっている。なんだか今の写真の流れは1970年代と繋がっているように見えることがある。そういえば家にある大型ストロボはここ数年まったく使っていない。電源を入れるのがちょっとこわいな。夕方、娘が来たので八戸のお酒を飲みつつ、八戸の話をしつつで、なかなか贅沢な夕ご飯になった。

 

<20021年8月15日の日記から>

久しぶりに小麦の麺を食べたらモチモチしてて美味しい。満足感は高い。でもなんとなく食後しばらくは体が重くなるような気がする。罪悪感というわけじゃないだろうが。金曜日に暗室に行けなかったので土曜日に変更。エイトバイテンネガのベタ焼きと、35ミリ6X6モノクロネガから数枚プリント。17歳の夏に初めてプリントした時はエアコンもない暗室で汗だくになったけど、何か特別なことをしているみたいで楽しかった。以来、40年以上暗室に入っている。どんなに長いこと写真をやっていても、1本のネガから「これ焼こうかな」と思えるのは、よくて1枚。その中で最終的に残るのはせいぜいフィルム20本に1枚くらい。写真は昔より上手くなっているはずだけど、それには全く関係がない。上手くなるのとプリントして残るのとでは、どこかに決定的な違いがあるようだ。今年で閉める予定がだったギャラリー冬青が、2022年の1年間、再延長するという宣言を出した。今年1月の展示の時に「これで僕が冬青でやるのは最後です」と言って展示をしたばかりなのに。最後だからとプリントを買ってくれた人もいるだろう。ギャラリーにも色々事情はあるのはわかる。でもだからといって来年の展示依頼をされても、、、なんか閉店セール商法みたいで。延長が決まり、展示依頼があった時は「もうやらない」と高橋社長には言ったのだけど、時間が経つとやりたくなるし、妻には「それはないでしょう」と言われるし、どうしようか悩んでいる。

 <2004年8月15日の日記から>

この1週間、米沢に帰っていた。米沢を撮影するためライカM3、EOS-RT、FUJI-GW69、ローライ2.8Eをそれぞれ4つの小さいバックに入れていった。フィルムはネガカラーとモノクロを用意した。現地に行ってそのときの生理にあったカメラとフィルムを使おうと思ったのだ。米沢は毎日これでもかというくらいの晴天だった。青い空に、緑の稲穂、印象的な風景ばかりが目に付く。35ミリではなく、69のネガカラーを使うことにした。FUJI-GW69には90ミリのレンズが付いている。35ミリ換算で43ミリくらいだ。ちなみに35ミリと69の縦横のプロポーションは2:3で一緒である。焦点距離、年齢説というのがある。20歳なら20ミリ、35歳なら35ミリ、50歳なら50ミリが生理的に合うという、写真家高梨豊が唱えた経験論だ。年齢とともに把握できる空間が狭まるということだろう。今43歳の僕にGW69の90ミリの焦点距離はぴったりと合っている。GW69はライカをそのまま大きくしたような形でそのサイズと形からから「お弁当」と呼ばれている。メーターは付いていない。ミラーがないレンズシャッター方式で、レリーズショックはほとんど無い。ピンとは距離計連動式で、まあまあ合わせやすい。サイズが6×9センチもあるから120フィルムで8枚しか撮れない。あっというまにフィルムチェンジになる。20本持っていったコダックウルトラはあっというまになくなった。ローライにはモノクロを詰めて散歩の時に持ち歩いた。ローライを持っているときはGW69は持たない。常に1台だ。カラー20本、モノクロ9本、現像が上がるのが楽しみでしょうがない。

 

一日中収録ケーブルの配線していた

朝=コロッケパン、野菜とトマトのフォーガースープ/夜=ズッキーニとナスと唐揚げの胡麻炒め、ポテトガレット、菜の花と塩昆布の和物、センベイ汁、白米

朝から雨。来週は出かけるので、しばらくは家で過ごすことに。そうなると部屋の模様替えをしたくなる。僕の模様替えは据え付けカメラとライト位置を動かすこと。ワークショップがひと段落したのでカメラを大机と正体する位置に戻したのだが、ライトの加減が難しいので、再度斜めの位置にソニーα7Ⅳを設置した。いつも使ってるシグマfpLの方が色は好きなのだが、もう少しソニーを使い込んでみようと思ったのだ。α7Ⅳはバランスが取れた優等生で、突出したところはないが、全てにおいて平均点を超えている。趣味で写真をするならベストバイな気がするが、使い込むと多分物足りなくなると思う。もう一台ソニーのボディを増やすと考えると、何がいいか。

今年の暮れには9000万画素のモデルも出るそうだが、どうなんだろう。だいたい使う前は「こんなのオーバースペックだよ」と言うのだが、いざ使うよ「うわ、すごい!」ってなるんだよな。カメラは半導体を使う製品だから、各メーカーどんどん値上がりしている。キヤノンやライカに続いて、多分ソニーも値上がりは必至。レンズは基本ラインが揃ったので、ボディをなんとかしたいのだけど。年末までの課題。

 

<2021年8月14日の日記から>

東京は一日中、雨が降ったりやんだり。友人がやってきたり、娘が夕飯を食べに来たりで、なんとなく一日が過ぎる。Amazonで「シンエヴァンゲリオン」の配信が始まった。公開終了後、異例の早さでの配信。映画館で2回見たのだが、3回目をiPadで見る。配信で見る映画は、映画館で見るものとは別物だ。でも「第三村」のシーンだけを何度でも見ることができるのは嬉しい。

<2006年8月14日の日記から>

 2月にギャラリー冬青でやった個展は米沢の冬を撮ったものが中心だった。「夏はやらないの」というい質問に、最初は「夏はねえ…」と言葉を濁していたのだが、自分の写真を1ヶ月見ているうちに、徐々に「夏もいいなあ」と思えてきた。そこで9月28日から10月7日まで、中野沼袋の「ちめんかのや」で米沢の夏を撮った写真展をやることにした。タイトルは「da.gasitaの夏」。今年撮ったものを含めて、大全紙24枚展示の予定だ。すべてネガカラープリント。カメラはフジのGW690を使った。先週からプリントを始めている。ワークプリントからセレクトしたカットを大全紙に焼いていく。カラープロセッサーのCP51は水洗乾燥まで自動処理のため、六つ切りに焼くのも大全紙に焼くのもなんら手間に変わりがない。濃度と色を確かめながらプリントしていくのだが、モノクロと違って、焼きこみや覆い焼きはほとんどしていない。3日目でもう20枚のプリントがあがった。あと一日もあれば目処がつきそうだ。会場となる「ちめんかのや」は、地下がBarで2階がギャラリーになっている不思議なところだ。自宅から歩いて15分もかからないところにある。住宅街の分かりづらいところにあるが、雰囲気はとてもいい。夜のBarもいいが昼間のギャラリーの窓から入る光は格別だ。

アレック・ソス

朝=おにぎり/昼=「シードリングカフェ」の寝かせ玄米弁当/夜=アジとハマチと鯖の寿司、ラーメン

葉山の海岸沿いにある神奈川県立近代美術館へ、アレック・ソスの展示を見にいく。この美術館は昨年に続いて2度目。会場はかなりのスペースがある。『Sleeping by the Mississippi』から始まる、ソスのこれまでの仕事を連続的に見ることができた。今まで連続しているように感じていたのだが、ひとつひとつの作品の背景がかなり違っているのが見えてきた。

館内で、以前渋谷のアップリンクで観た映画『Somewhere to Disappear』もやっている。1時間ほどのドキュメンタリーだが、どうやらこの時に撮っていた『Broken Manual』は彼の作品性が大きく変わるきっかけだったようだ。

「ソスというとエイトバイテンのカラーでオンザロードの写真家だよね」という意識がガラッと変わってしまった。そして最新作の「A POUND OF PICTURES]」の制作意図がちょっとだけわかった気になれた。10月までやっているので是非。逗子駅からバスか車で。駐車場あり。

ギフトショップにはソスの写真集がほぼ置いてあった。その中で彼の代表作、『Sleeping by the Mississippi』『Niagara』『Broken Manual』『Songbook』『A Pound of Pictures』の5冊を1冊にコンパクトにまとまた『Alec Soth: Gathered Leaves Annotated 』をお土産に購入。

 

<2021年8月13日の日記から>

渋谷へ。今年1月にスチール撮影でちょっとだけお手伝いした映画の完成試写会だった。来年公開のため、まだ情報は公開できないのが残念。自分が参加しているからということを抜きにしても面白い映画だった。いつの時代も映画作りって人を魅了する。

夕食後、気になっていた映画「メッセージ」をAmazonで見る。これ、妻と一緒に観なかったら寝落ちしたしていたところだ。2時間の映画の中で1時間45分は何の話をしているのかさっぱりわからない。最後の最後で意味が出来上がる。過去と現在と未来が同時に存在する宇宙人の話なのだが見終わって「ああ!」ってなった。僕が写真集『demain』を作るときにずっと考えていたことと同じなのだ。宇宙ものとしては「コンタクト」「インターステラー」と似ている。宇宙人の介在によって人類の意識レベルのレイヤーが上がる。ラスト15分のための映画、いや本当に大事なのは5分間か。「ニューシネマパラダイス」的ラストシーンだ。1時間45分はよく分からない内容だけど、映像が素晴らしいので大丈夫(笑)「単線的な時間は存在しない、過去も現在も未来も同時に存在する。過去は未来を作らない」を映像で説明した映画。未来を知ってしまったら絶望でしかない。それでも生きていくという「メッセージ」だった。

 

<2007年8月13日の日記から>

 『日本カメラ』8月号誌上で「手作り写真集の作り方」の記事ページが掲載されている。デザイナーであり製本家としても活躍している津村明子さんに、僕が手作り写真集の作り方を教わるという内容だ。A4にプリントした写真を半分に折って貼り合わせて作っていく。彼女の手にかかるとあっと言うまに「本」が一冊できあがる。その本を持ち帰ってワークショップの人たちに見せたら、できばえに驚いていた。自分が作ったわけではないのに「すごいだろう、これが30分でできちゃうんだぞ」と自慢していたら、自分も作りたいから教えてと何人かに頼まれてしまった。そう言われても、僕は作っていたのを見ていただけなので、ここは津村さんをお招きして「簡単製本講座」を開いてもらうことにした。全員脱落することなくA4サイズ25枚ほどにプリントしたものが2時間で一冊の写真集にしあがった。かなり「本」である。8月号の『日本カメラ』をちゃんと読めば作れるはずだ。是非お試しを。

ギャラリー冬青で販売するためのプリントが仕上がった。最後に写真の検品とスポッティング。自分では気が付かなかったムラや汚れを指摘される。そのたびに1枚2枚と写真に×印をつけていく。販売用にはならないが、印刷用にはまったく問題ないので分けておくためだ。ギリギリ納品分は確保することができた。これでようやく冬青に持っていける。

 

 

真夏の「フォヴィオン会」

朝=おにぎり、卵焼き、味噌汁/おやつ=焼きそばパン/夜=胡瓜と茗荷の胡麻和え、味噌豚焼き、蓮根と南瓜のスパイス炒め、冷麺

朝から土田ヒロミさんのインタビュー動画の編集。割とサクサクとテロップ入れまで出来た。あとは資料としての写真を集めてインサートすれば完成。

ひと段落したところで「フォヴィオン会」に顔を出す。シグマフォヴィオンセンサー縛りのグループ展を毎年ルデコでやっている。すでに現行機種は生産中止なのだが、皆の愛は深い。先日、新型フォヴィオンセンサーの試作機が、2022年の暮れまでにできるというニュースがあり「フォヴィオン会」に希望が灯った。ちなみにこの会は、僕主宰のワークショップ2B &Hの有志によるもので一般募集はしていません。今回は地域センターの集会室を使って10数人が今年撮ったものを見せ合った。なぜフォヴィオンセンサーにこだわるかといえば、それは描写がすごいから。毎年展示をするたびに、見に来た人たちから驚かれる。メタリックなものや、植物などを撮るとどんな高画素のセンサーでも出せない写り方をする。ただし手ぶれはするし、AFは遅いし、感度は400でも怪しいし、全くもって一般的ではない。楽しみで写真に接するなら、こんなに面白いカメラはないと思う。僕もグループ展のために年に一度だけシグマのdpクワトロを持ち出すことにしている。

 

<2021年8月12日の日記から>から

キッチンの蛇口が古くなっているので業者に見積もってもらったら6万円プラス税。しかも下の方も変えたほうがいいと言われ、それが25000円プラス税。トータル10万円近くすると言われて萎えた。友人に相談し、交換できないか見てもらうことにした。

昼からアニメ。「東のエデン」の続編。そして「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」「映像研には手を出すな」2話目。押井守の「スカイ・クロラ」を見た時に何か引っかかるものがあって「うる星やつら2  ビューティフルドリーマー」をAmazonの配信で数十年ぶりに見直した。学生時代、大森一樹監督「すかんぴんウォーク」を見に行った時の併映が「うる星やつら2」だった気がする。あの頃大森一樹は自主映画出身のヒーローだった。「うる星やつら2  ビューティフルドリーマー」は、学園祭前夜を永遠にループしているという設定で、これは「スカイ・クロラ」にも通じるところがあると思ったのだ。評価の高い映画だったとは聞いていたが、30年経ってあらためて見ると、あの時拾えなかったものが見えてくる。「うる星やつら」のキャラクターを借りて、別物が出来上がっている。よくこんな企画が通ったものだ。これは押井守という監督の原点が隠されている映画なんじゃないかと思う。今見ても面白い。

 

<2008年8月12日の日記から>

 安井仲治という、大正時代に現代で通用するような作品を作っていた写真家がいる。森山大道が彼にささげるオマージュ「仲治への旅」という写真集があるほどの存在だ。数年前に回顧展で初めて全容を見たのだが、とても面白かった。写真のほとんどを空襲で失ったそうだが、わずかに残った写真のそのバリエーションの多さに驚いた。彼はプロの写真家ではなく「旦那芸」を極めた人だ。純粋に写真に取り組むにはそのほうが都合がいい。その彼が残した『写真家四十八宜』というのが今でも頷けて面白い。あるブログで前文を引用していた。

 “な”は「夏の暗室出た時よろし」とある。

 クーラーなどない時代、汗だくでプリントしていた様子が実感できる。学生時代を思い出してしまった。写真家の白岡順が新しく写真のスペースをオープンした。名前は「カロタイプ」。写真史に登場する印画技法のことで「紙ネガ」のことを指す。由来はギリシャ語の「美しい」からきているそうだ。レンタル暗室とワークショップを行っていくそうだ。展示のスペースもある。(残念ながら白岡さんは2016年に死去)。先々月、オープニング前に見る機会があったのだが、真新しい引き伸ばし機が並び、全紙までできる流しが設置されていた。ここで暗室を借りれば、もれなく白岡さんにレクチャーを受けることができるわけだ。パリでは白岡さんを知らない写真家はいない。「パリの写真を黒くした」という伝説が残っているほどなのだ。そこに行けば白岡さんに会えるという場所ができたということは幸せなことだ。

八戸は美味しい

朝=あんかけ玄米飯/夜=心太、ゴーヤチャンプル、八戸ウニの炊き込みごはん、ワカメの味噌汁

先週金曜日に八戸に入り、土曜日と日曜日、2日間に渡りワークショップをやってきた。4年前から呼んでもらっていて、企業ではなく、地元写真スタジオ「オフィス・ミュウ」さんの主催。

今回は「一日で作る写真展」と「写真集で見る大事なもの」の2本立てだった。写真展の方は大きくて独立したギャラリースペースがある「ソールブランチ新丁」を使って展示ができることになったので、参加者がその日に撮った写真を3枚選び、ギャラリーに持ち込んだプリンターでA2サイズの大きさにして印刷。即日設営。翌日にお披露目となった。

初日、外で撮影している最中に、僕がひとりひとりのポートレートを撮影していく。その時に光の使い方やポージングなどを伝えていく。秋田のGRイベントでもやったけど、これはとても盛り上がる。自分が被写体になることで、ポートレート撮影のことを実践的に覚えてもらうことができるからだ。土曜日は日差しはあるが涼しいという奇跡的な天気だった。風が吹くと気持ちがよくて、東京では感じることができない。

「写真集で見る大事なもの」は、写真集イベント。「八戸美術館」のホールを使わせてもらって、僕が自宅から持ち込んだ40冊近い写真集を、参加者に手に取ってもらう。そしてその場で僕が背景を説明していく。普段あまり目にすることのない写真集を2時間かけてゆっくり見てもらうことができた。

次のワークショップは11月の屋久島だ。

 

<2021年8月10日の日記から>

来年は八戸に行けるかな
朝 大根おろしご飯

夜 サンマの土鍋、その他諸々

八戸オンラインワークショップ。本田夫妻を迎えて3時間、30人の視聴者と9人のレビュー参加者で行った。

目の前に誰かいるだけで、気持ちが落ち着く。いつも2BChannelでひとりで配信でいるのとまったく違った。

レビューの中で子供が撮った写真があったのだが、これがものすごくいい。こんな風に撮れたらいいなと本気で思わせる。

コンテストなんかで小学校、中学校、高校生の部があると間違いなく小学生の写真がいい。中学校になると、見られることを意識し始めて、高校生は女子はマクロに、男子は望遠で部分を切り取るようになるからつまらなくなる。

土門拳は「モチーフとカメラの一致」を強調しているが小学生の写真はまさにそれ。

「写真は教育できない」と田中長徳さんがずっと言っているが、そういうことかもしれない。


<2006年8月10日の日記から>

フジGW690にネガカラーを詰めて13本撮影

ひとりで米沢に帰った。家族で行くはずが、いろいろなことが重なりひとりとなった。

もう米沢には実家がないので友人の家に泊めてもらった。大きな農家で、縁側が広い。そこで昼間から高校時代の友人を集めて飲もうということになる。

まずは近くの温泉で皆で一風呂浴びる。車で15分も走れば小野川温泉だ。無料の露天風呂もある。全て源泉掛け流し。小さい温泉街だが川沿いのいいところだ。

ビールと地元の酒を買って帰る。口々に「最近酒の量が減った」と言う。自分だけではなかったのだな。

縁側で飲む酒は旨い。つまみは胡瓜とナスの漬物。手作りのチャーシューと煮卵。

全員45歳。自衛隊幹部の者は後10年で定年だという。もう定年のことが話題になる年なのだ。皆それぞれに、家庭とか仕事とかいろいろと大変だ。

結局、酔っ払ったあげく出た結論は「人生は修行だ! 結婚は荒行だ!」ということに落ち着いた。皆で「明日からは頼らずに一人で生きていけるようにしよう」と約束する。

泊めてくれた友人に子どもが生まれていた。まだ6ヶ月。抱っこしても泣かない、人見知りのないかわいい女の子だ。

友人曰く「子どもはいいぞ。家庭のゴタゴタはとりあえず2年先延ばしになる」。45歳のお父さんはいい感じだった。

 

 

コラボ

朝=牡蠣燻製パスタ/夜=カツオの漬け丼、胡瓜とオクラの海苔サラダ

2018年から19年にかけて、いくつかの写真系のYoutubeが始まっている。それらは現在、チャンネル登録者が多い牽引車的な感じがする。

「鈴木心の写真道場」もそのひとつで、他のチャンネルとは全く異質なことをやっている。その中でも「選挙ポスターから見るポートレート講座」は出色で、写真を学んでいる人はもちろん、カメラマンなら見た方がいい。これは人物を仕事で撮る人には間違いなく面白い。

その鈴木さんから「コラボしませんか」と連絡がきた。意外だった。他のチャンネルとかは興味がなのかと思っていたから。後で聞いたら趣味で見ているわけではないが、Youtubeの特性を掴むために、他のチャンネルも見ているそうだ。何人かに声をかけたらしいのだが、返事があったのは僕だけだったようだ。なんかばさり切られるような気がするからだろうなあw

金曜日の夜に2時間半、鈴木さんの事務所から配信した。カメラマンのギャラの話から、写真のことを横断的に話していって、最後は「さとるさんに触ってほしい」と中版一眼レフを持ち出してきた。10年以上前の機種だが、これが楽しくて楽しくて。散々難しい写真の話をしていたのに最後は満面の笑みでカメラを触っていた。

Youtubeをやっていなかったら、こんなに深く話すことはなかったはず。声をかけてもらえて嬉しかった。これからは、他のYoutubeをやっている人ともコラボしてみようと思えてきた。

 


https://youtu.be/VmK3huFE8Bk