おいしかったのは屋久鹿のバルサミコソース焼きと鯖の燻製サラダ

3日間の合宿型写真ワークショップその名も「朝から晩まで」。

 

屋久島で文字通り朝から晩まで写真漬け。朝起きて午前中は撮影実習、昼ごはんを食べると午後からびっしり座学、夜ご飯が終わると深夜まで雑談。いきなり夜の撮影実習となる。

 

屋久島なのに屋久島らしいところを撮りにいくわけでもなく、ひたすら写真にまつわることを考え続ける。参加者は鹿児島の人限定で募集し19歳の学生からベテランのカメラマンまで5名が集まった。その他に屋久島の方や東京からの人も。

 

単発のワークショップで呼んでもらうことは多いが、合宿型は初めてだった。「同じ釜の飯を食う」というが、ご飯を一緒に食べていると、いつのまにか一体感が出てくるから不思議。

 

例の「右とは何か?」という答えのない問いを出しても、臆することなくどんどん会話が広がっていく。ゲームが好きな若者の話が、現代アートのロジックに似ていることがわかるし、医学療法師が教えてくれる認知の仕組みが写真を見ることにつながっていく。うまく話が回れば僕は黙って相槌をうって聞いていればいい。やっていて気持ちがよかった。

 

今回のキーワードは「コモディティ、シンギュラリティ、AI、面、点、具象、抽象、はがす、レイヤー、概念、ダイバーシティ」など。普通の写真のワークショップでは出てこないものばかりだと思う。

 

10年間をかけて蓄積したものすべてに近いものを伝えた。これは僕が10年前に聞きたかった話だ。これを消化するには年単位だと思うが、写真の接し方がより楽しい方向に変わっていくと思う。

 

使った資料はすべて自由にダウンロードして使えるようにとパワーポイントデータを公開することにした。ここに自分たちで新たなものを追加して近くの人に伝えてもらえればいい。

 

ベースは僕のものを使ってもらい、それがどんどん更新される。いつの日かそれが僕の手元に戻ってくるときは、より強固なものになっているはずだ。

 

屋久島を出る時間になって雨がやみ、晴れ間が見えた。そろそろ空港に行かないと。今回も内容てんこ盛りの1週間だった。