「2Bとマンデリン そして僕はこの町を離れる」
ダサイと思っていたが、意外と可愛いと思えてきた。ちょっとキュンキュンする(笑)
文章系のタイトルはセンスが問われるので、今まで近づかないようにしてきた。小林紀晴、大橋仁、村越としやなんかが文章系のタイトルをつけているが、まったくもってかなわない。「昨日見たバスにのって」とか「ここに座ろうと思う」なんてタイトルは自分には想像もつかない。
今回の写真展のタイトルは80年代の雑誌のエッセイにあるようなセンスがいいなと思っていた。
2Bは事務所の部屋番号(2階のB号室)のことで、マンデリンとは珈琲豆の種類のこと。この日記にもたびたび登場する喫茶店「プアハウス」で若い頃よく飲んでいた。
ただのブレンド珈琲じゃなくて「マンデリンをください」と大人ぶったことを言いたかっだけなのかもしれない。
2Bには23年、プアハウスにいたっては37年だ。人生の大半が「2Bとマンデリン」で出来上がっている。
2Bは来年の3月にはなくなるし、プアハウスが終わるのも、そう遠い未来ではない。
まだ実感がわかないが、そのふたつがなくなったとき、初めて懐かしく過去を思い出すのだろう。
米沢から出てきて以来、江古田は僕の東京そのものだったから。