妻は島へ。イベントでカレー作ってるらしい。

PHat PHOTO」誌のコンテスト審査で京橋へ。

今度からWEBマガジンになるそうだ。今までは会員限定の雑誌だったから、紙でなくなることには一抹の寂しさがあるが、WEBで広く読まれることになるのだから良いことだと思う。

WEBにおけるコンテンツ無料化を危惧する声をよく聞くけれど、もはや雑誌(コンテンツ)を売って対価をいただくという従来の一対一のビジネスをWEBに期待するのは無理だろう。「風が吹けば桶屋が儲かる」くらいのスパンでお金が戻ってくるイメージではないだろうか。

今回はテラウチマサトさんとタカザワケンジさん(ふたりともカタカナだな)と僕との3人で行った。僕もタカザワさんも3回目の審査だった。

この審査のもっとも素晴らしいのは、毎回違ったゲストふたりを呼んで3人で行うことだ。お互いが何をもってこの写真を推すのか生で聞くことができる。これは相当に面白い。

もう休刊になってしまったが「写ガール」という雑誌の審査を3年ほどやったときにも「PHat PHOTO」誌を真似て毎回ゲストを呼んで審査を行った。人によって写真の捉え方は全然違う。普段聞けないことがたくさん出てきてトークショーみたいだった。

選ぶ写真でその人の性格も分かったりする。タカザワさんが「テラウチさんて本当に優しいですよねえ」と言った言葉に思わずうなづいた。

テラウチさんとは審査やイベントでお会いするくらいなのだが会うたびに「いい人が滲み出ているなあ」と思っていた。

それととにかく質問がうまい。話をするのではなく、聞く方に回ろうとする。

これは相当に人生の訓練を積んでいないとできない。テラウチさんくらいのキャリアがあると、ついつい喋りたがるものだ。話すことなど山ほどあるだろうし、話すほうが気持ちがいいに決まっている。

それをテラウチさんは「教えてもらえますか」という聞き方をする。聞くことを心がけていない人にはできないことだ。

テラウチさんの振る質問にタカザワさんと僕が答えていく。一枚写真の力、現代アートと写真、記号として捉えられる写真など多岐にわたった。

近頃「質問力」の重要性が語られるが、良い質問というのは本当に難しい。知らないことを聞くだけでは良い質問とは言えない。知っていることが前提で、その先の話をしなければ話は弾まない。

ちょっとパラドックスめいているが、良い質問が出来る人は、そのことについてよく知っている人ということになる。

審査を終えても話足りずタカザワさんとドトールへ。ずーっと写真の話ばかりしていた。