雨の日の木曜日はシンガポールライス。

11月21日から渋谷ルデコで2Bのグループ展である。タイトルは「LAST」それと「LAST LEGEND」。すんごいタイトルだ。3階と4階と5階の3フロアを使う。

グループ展に出す人は、一か月前になってソワソワし始めた。形が見えてこない焦りっていうのは結構しんどい。好きで自ら望んで参加することを決めたのだが、やっぱり直前になると「あー、やめときゃよかったな」と思ったりする。

でもその苦しさは会期が始まると倍増された楽しさに変わるのだから安心するがいいよ。そして展示っていうのは脳内麻薬のようなものが出るらしく、またやりたくなるのだ。写真展はクセになる、と「旅するカメラ」の3巻くらいに書いたよな。

自分の個展は来年1月、中野のギャラリー冬青。ここ数年お正月にやらせてもらっている。毎年僕の写真展で冬青の一年が始まるなんてとても名誉なことだ。

正月早々コケるわけにはいかないのだが、制作は遅々として進まない。いや、努力はしてるのだけれどね。

スタッフからは「早く資料を出してください」とせっつかれる時期になった。タイトル、DMイメージ、テキストを提出し告知してもらわなければならない。

タイトルを何にするか。とてもとても大事だ。いつも2Bではタイトルがその写真展を決めるのだと言っていたりする。

これまで冬青でやった個展のタイトルは「traverse」「da.gasita」「prana」「demain」と英語で頭文字が小文字という共通点があった。抽象的で、意味よりも音を大事にしてきた。語感というやつだ。

まず、この路線を今回は使わないと決めた。

安っぽい歌のタイトルみたいにしたい。なるだけダサくしたい。抽象度は限りなく低くする。説明っぽい部分を増やす。

しかし考えてもなかなかダサくならない。シュッとしてしまう。そこで妻に相談した。彼女は見事にその意図をくむアイディアを出してくれ、びっくりするほどダサいタイトルができあがった。我ながら心配になるほどだ。

でも2018年はこれでいいのだ。そのうち冬青から案内が出るはずだから楽しみにしていてください。

海外に通用するタイトルとロジックに裏付けられたステートメント、しっかりしたコンセプトとストーリーテリングとか、今語られていることと真逆のようなことをしばらくやりたい。

次回はギャラリー冬青でやる9回目の個展になる。