温泉玉子とベーコンのパスタ

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2Bに来てくれていた今井宏さんが急逝した。54歳、僕より若いではないか。2015年にはニコンサロン、昨年はオランダのフォトフェスティバルに招待されるなど、写真家として活躍が期待されていた。実業でもトップクラスのビジネスマンだった。会うたびに新しい作品のことを楽しそうに話してくれていた ことを思い出す。ご冥福をお祈りいたします。


アーティスト集団Chim↑Pomが新作個展「Sukurappu ando Birudo プロジェクト 道が拓ける」を高円寺のキタコレビルで開催している。会期は7月29日から8月27日まで。

自宅からすぐのところなので、オープニングの日に行ってみた。Chim↑Pomのことは知ってはいたがネット以外で実際の展示を見るのは初めてだった。

初日は夕方から土砂降り。一般公開が夕方6時からだったが外で待っているのがちょっと辛い。すると「隣でバーもやっています」というので入ってみることにした。

カウンターの中から「いらっしゃい」と声をかけてきたのはなんと現代美術家会田誠。びっくりした。生の会田誠がフライパンを握って料理を作っていた。前日奥さんである美術家の岡田裕子の講座を受けていて彼の動画を見ていたばかりだった。

ビールを飲んでいるうちに開場となったのだが、土砂降りの中ものすごい行列ができていた。中に入るのに20分以上、入ったら入ったで身動きがとれない。この日は会田誠に会えただけで良しにしてザッと見ただけで帰った。

先週時間があった時にもう一度妻とともに行ってみた。さすがに平日は人がいなくてゆっくり見ることができた。

会場のキタコレビル付近はよく知っている。入り組んでいる雑居ビルは戦後の闇市かというくるらい古い。その複雑に入り組んでいる建物の中にアスファルトを敷いて道を作っている。道とは外につながっているということだ。会期中は自由に出入りできるようになっている。

制作ビデオを 見ると天井を崩して地面にがれきを落とし、その上にアスファルトを敷き詰めていた。それがどういうことなのかが、地下室に降りるとわかる。今回の展示の肝は地下にあると思う。

地層、ガレキ、アスファルトがアクリルの壁越しに 見える。スクラップアンドビルドというが、それが実感できるのだ。「道を作ってどうすんの?」と言っていた妻も「ああ、こうういうことか」と妙に納得していた。

別に正解などないのだけてど、現代美術を見たときに不意に訪れる「腑に落ちた感」がとても面白い。そのことを誰かに話したくなる。