毎日ダミーブックをいじっている。写真を差し替えたり、文章をプリントしたものを挿入したり、切ったり貼ったりを繰り返している。
この作業が全行程の中で一番楽しい。本当のことを言うと印刷が上がってくると「売れるかな」という気持ちが出てきて楽しいというより心配が先になる。
夏にアルルのマルシェで、戦後すぐくらいの普通の家庭のアルバムを買ってあった。表紙が革で、それが擦り切れていい感じになっている。
何気なくダミーブックをアルバムに合わせてみたら天地のサイズが同じだった。閃いた。アルバムを解体してカバーを外し、横幅をダミーブックと同じにカット、見返し部分をカバーに糊付けしてみた。
表面に写真を貼り付けタイトルを入れたら完璧な写真集が出来上がってしまった。表面のスレ具合といい、色といい、もうデザインはこれしか考えられなくなった。