フランスの作家ロンとアルドはポートレートをメインに仕事をしている。僕も以前はそうだったから彼らと話をするのはとても楽しかった。
年齢が近く、使っていた機材も同じだし、フィルムからデジタルへ移行する過程も似ている。
彼らの仕事はまさに世界を股にかけるという言葉通りそのもので、写真を見るとそのクオリティにめまいがする。。世界中のビッグスターを撮っているのだ。
手法では特にストロボの使い方に大きな特徴があって、そのやり方は今僕がLEDでやっていることと同じだった。それを20年前以上のフィルム時代からやっていると聞いて驚く。
今回撮影しているところを垣間見れたのだが、自然のまま撮ることはなく、完全に作り上げていくやりかただった。昼間でもストロボを多用する。カメラはハッセルブラッドの中判デジタルカメラH5だ。
もうひとりの写真家オトナはフランス側のオーガナイザーであり今回の中心人物。アートディレクターのクレオとともに屋久島フォトフェスティバルを作り上げている。
今回参加した作家には、クレオからミッションが与えられている。滞在中に屋久島で撮った写真を作品に仕上げて展示をするというものだ。それはフランスでの展示も考えられているし、きちんとしたカタログも作るということだった。
早めに屋久島に入ったものの、事務局のお手伝いが優先のため撮影に出れず、フランス側作家の精力的な撮影を横目で見ながらかなり焦っていた。
プリントをする時間を考えると僕に与えられた時間はわずか半日。撮影前にアイディアを練り上げクレオに相談する。話しているうちに徐々に形が見えてきた。
地元の人に助けてもらってわずか3時間で16枚の作品が完成。しばらくしたら屋久島フォトフェスティバルのサイトにアップされるだろう。
面白いものができた。アイディアを形にするタイプの作品制作は初めての経験。
今頃はクロージングパーティの最中だろう。僕の撮り下ろし作品も海辺のスライドショーで上映されているはず。見たかったな。
最後までいれなくて本当に残念。久しぶりに高揚する旅だった。しばらくは「屋久島ではね」と言い続けるだろう(笑)
今回は本当に島の人に良くしてもらった。縁ができたのは何よりも嬉しい。