パリで最初に食べたのは「金太郎」の味噌ラーメン。うまかった。

木曜日の午前11時にパリを出て、金曜日の午前6時に羽田に着いた。

席の後ろがフランスの若いやつらで、うるさいわ、騒ぐわ、ついには僕の席を後ろから蹴り出した。さすがに頭にきて、後ろを返って「いい加減にしろ!」と日本語で怒鳴ったらしばらくおとなしくなったが、日本に近づくにつれ、またうるさくなってきて、着陸したら歌い出した。やれやれ。

アルルのフォトフェスティバルは11日土曜日で終わったが、日曜日まで滞在した。なぜかといえば8年前の苦い記憶があるから。興味のある人は2007年7月の日記をどうぞ(笑)

日曜日はエクスアンプロバンスという画家セザンヌゆかりの街へ行ってみた。アルルからバスで1時間ちょっとなのだがバス時刻を平日で見ていたため待てども待てども来ず、列車でマルセイユまで行ってそこからバスで行くことにした。

と書くと簡単に聞こえるが、ここはフランス、かなりよそ者に厳しい。ローカル列車の切符1枚買うのも一苦労。窓口が空いていない場合、自販機になるわけだが英語表記がない。しかもユーザーインターフェイスが最悪。たまたま駅でフランス語のわかる知り合いに会わなければエクスアンプロバンスに行くのは難しかったな。

とにかく英語が通じない。公共の場といえども通じない場合があるほどだ。どのくらい通じないかというとビックとスモールがわかんないくらい。写真関係者は話す人が多いが地元のギャラリーは話せない人が多いらしい。

そりゃヨーロッパでの第一言語がフランスだとは聞いているが、同じアルファベット圏なのだからもう少し分かってくれと思ってしまうこと度々。

言葉が通じないほどもどかしいことはないが、身近でフランス語しか理解しないフランス人と、フランス語をまったく理解しない日本人でうまくやっている例もあるからな。「指差しフランス語」とネットの翻訳機でなんとかなるそうだ。

苦労して行ったエクスアンプロバンスはアルルより静かで大人な街だった。セザンヌのアトリエは街から15分の坂の上。部屋の北側に大きな窓があって、いい光が入ってきていた。中の写真が撮れないのが残念。近頃1900年頃の美術に興味がある。歴史的に面白い時代だ。

実はセザンヌより良かったのが街はずれの大聖堂。今まで仕事で色々な教会に行ってきたが、ここは凄い。規模といい装飾といい間違いなくトップレベル。いいもの見れたわ。

アルルからパリに戻って最後は美術館めぐりだと思っていたら、出がけに激しく咳き込んでしまって、苦しさに身をよじったらバキッと腰の上の筋肉が音を立て肉離れ。動けなくなってしまった。

もう一歩も身動きとれず、半日ベッドでじっとしているしかなかった。その日はパリ革命記念日。パレードも見れず、サンドイッチを買ってきてもらって寂しくかじっていた。

夜にはだいぶよくなって、遊園地で大きな観覧車に乗ったり、コンコルド広場でエッフェル塔に上がる花火を見た。ようやくパリっぽくなった。

その後も美術館はオルセーくらいしか行けずちょっと残念。近代美術をもっと見たかった。

帰国すると仕事がたまっていた。ワークショップも時期の募集をする頃だし、夏休みは終わってしまったな。