アルルに海苔巻きを出すお店がある。ビールとサラダと海苔巻きの夕食。

今回のアルルは妻も一緒の旅ということと、受けたい人が僕の登録遅れで間に合わず、結局5人だけポートフォリオレビューを受けることにした。

そのひとり目がグダグダに終わってしまって、気持ちはどんよりブルー。お昼ご飯も食べたくないし、ギャラリー巡りも身に入らない。

なんで来てしまったんだろうと思い出す始末。

今回でポートフォリオレビューは3回目になる。8年前のアルル、2年前のサンタフェそして再びアルル。

もういい加減慣れてもいい頃なんだが、いまだにダメ。人に見てもらうのは今でも怖い。

夕方早めに会場に入り資料を整理していると背後から声がした「あれえ、渡部さんじゃないですか」聞きなれた声に振り返るとそこには荻野NAO之君がいた。

彼とは10年前一緒にミャンマーに行って以来の縁だ。レビューサンタフェでも一緒だった。語学堪能な彼は積極的に海外マーケットを開拓していて、先日もオランダのギャラリーで展示していたばかりだ。

久しぶりに会ったのでpranaを見せつつ話をしていたら、どうやってプレゼンをすればいいか筋道がたってきた。サンタフェの時もそうだったが、彼と話していると不思議と考えがまとまる。

ふたりめのレビュワーはオランダ写真美術館のキュレーター、三人目はパリの写真コーディネーターだった。

pranaを短く説明したものを提示して、写真集を見せる。もうプリントは見せないことにした。写真集の1ページで食いつき「この印刷すごいね」となる。

暗い色調の自然から暮らしの部分に入る頃には向こうの興奮がこちらに伝わってきて、矢継ぎ早に質問が出てくる。こ うなるとこっち のもので、考えを説明しやすくなる。最後にpranaの後書きにあるステートメントを読んでもらうと感心したように「とても良い仕事だ」。 da.gasitaもとても気に入ってもらうことができた。

ふたりとも「 必ず、必ず、ここに連絡しなさい。その際にプリントの価格も忘れずに」と念押しをされ、名刺を差し出してくれた。

資料として、A4見本インクジェットプリント4枚、DVDに入ったデータ、名刺、顔写真入りプロフィール、ステートメントが入ったものを渡し、笑顔で握手をして別れた。

これがすぐに結果につながるわけではないことは良く分かっている。しかし少なくともpranaは海外のレビュワーにも評価の対象になることは確かだと分かった。

終了後憑き物が落ちたようにすっきりし、お腹がすいてきた。54歳になっても「あなたの写真が好きだ」と言ってもらえるのはなにより嬉しい。

げんきんなもので「もうちょっとレビューの数を増やせばよかったな」などと思ってしまうのだ。