食欲が戻ってきた。マイセンのカツサンド。

今週火曜日から日曜日まで渋谷ルデコでワークショップ2B42期43期のグループ展をやっている。

点数、サイズ、内容、カラーモノクロ、アナログ、デジタルすべてバラバラ、しかし会場は意外なほどと統一感があるから不思議だ。

来日していたオランダヨースト美術大学のバス教授がルデコにきてくれた。彼は「2B内でのレビューの時もそうだったが、驚くほどバラエティに富んでいるのがすごい。通常ワークショップの終了展というと似通った感じのものが並ぶものだが、ここは個人(インディビジュアル)が確立している」と言ってくれた。

彼がルデコに来たもうひとつの目的は僕の作品を見ること。冬青の高橋社長が「渡部はレビューを受けることができなかったから一度きちんと見てやって欲しい」と彼に頼んでくれたのだ。

まだ口開けで人が少ない頃を見計らって僕のポートフォリオレビューが始まった。ふたりの周りにはワークショップの人達や見に来てくれた方が取り囲んでの公開レビューになった。

まずはタイトルと内容の説明から始まる。意図を確認するような質問が続く。時折厳しい言葉が出る中、やろうとしていることが作品に現れているかということを彼は見ていく。

1枚の写真を指して「この他とイメージが違うものがなぜここに入っているのか?」

その説明をすると、実はその意図は彼にはわかっていて、ならばこのほうがいいのでは?と提案してくる。でもそれではリズムが崩れると反論すると、それに対して彼の意見をはっきりしめす。こちらの意見を否定することなく自分の考えは迷わず述べる。

レビューはみっちり1時間。ものすごい熱意と熱気だった。終わった瞬間周りで見ていた人たちから「ふーっ」と大きく息がもれた。そのくらい緊張感があるレビューだった。

一番興味を引かれた言葉は「自分のサイズ」。作品の大きさではなく、自分が感じる、自分の固有の空間認識、大きければいいとか、小さいほうがいいとかではなく、その人の表現のサイズを持つべきだということ。これはすごく腑に落ちた。

写真を見せるのはほんとうに疲れる。でもこんなに楽しいこともない。国を違えても写真を前に色々な話をすることができる。

具体的な話は出なかったからオランダのギャラリーの話はないだろうが、今回のレビューは楽しかった。

レビューは、たとえネガティブなものでも面白い。昨年のサンタフェでの「ノーモアノスタルジー」は、ノスタルジーっていったいなんだ?と考えるきっかけになったわけだし。良い感触のレビューより一番印象に残るレビューだったのは間違いない。

レビューが終わるとバスさんとがっちり握手。とても気持ちのこもった握手だった。