ワークショップ42期日曜日の募集は終了いたしました。

先日ギャラリー冬青で加納満さんとプリントの話をしていたときに「水洗や現像液を希釈するのに水道水を使わず精製水を使っている」と教えてもらった。水道水のカルキが問題なのだ。

以前僕も水道水を精製する濾過装置をつけていたことがあったが、目詰まりが出たり水圧が落ちたりしたので面倒で外してしまった。しかし加納さんが使っているのは水道水を濾過するものではなく、宅配の工業用精製水だったのだ。以前は面倒だった水の宅配もAmazonで簡単に頼むことができる。そこで僕も加納さんにならって精製水を使うことにした。

液温は22度、定着は2浴、水洗も精製水につけてカルキの影響を少なくして、印画紙は製品にばらつきの少ないオリエンタルを使うことにした。

10年前の僕のプリント処理は今から考えたらかなりいい加減だった。販売を目的とせず、プリントは「印刷原稿」という認識が強かったせいだ。

その頃は写真は「印刷物にしてたくさんの人に見てもらうのが第一義」そう考えられていた。オリジナルプリントの価値を考えてプリントを作っている人なんてほんの小数だった。

プリントは印刷から戻ってきたものを保存するくらいで、1カットにつき複数枚のプリントを保存している人なんて周りにはいなかった。

その中で北井一夫さんは50年前のプリントからきちんと複数枚とってある。「なぜそんなにプリントが残っていたんですか?」と尋ねたら「引っ越しをしなかったから」と明快な答えが返ってきた。なるほどね、冗談のようだが真理でもある。たしかに引っ越しや大掃除で僕もたくさんのプリントを捨てている。

もっともそれ以上に1970年後半から「ツアイト」石原さんの「プリントは絶対捨てるな」という教えを守ってきたんだそうだ。引っ越しを繰り返しプリントを捨てていたら今の北井さんは存在しないことになる。

近い将来フィルムや印画紙がなくなると言われている現在、「いかに残すか」は、自分にとって大きな課題になる。


さて、今日は撮影の仕事だった。撮影中汗が噴き出してファインダーが曇ってしまうほどだった。その後色々都内を回ろうかと思っていたが、上がりが気になってすぐに家に帰った。

コタツでMacで処理をしていく。自分のやりかたは人物の撮影時にほんのちょっとオーバーにしておいてRAW現像時に調整する。普通はなるだけオーバーにしないようにするのが基本なのだろうが、やっているうちにこのスタイルに落ち着いた。僕のライティングだとそのほうが濁らないような気がするのだ。

フォトショップCS6にしたのだがまだ慣れない。アクションも作り直さなくてはならないし、インターフェースも変わっていてまごつく。CS3なら1枚5分のところを倍はかかっている気がする。